Archive for 06 July 2007

06 July

国内販売されていた海外製極小径自転車が、強度再試験中?の噂に思う。

 しばらくの間、更新する気力もないほど憔悴していました・・・。

 ・・・くそう・・・次の職場が決まれば、明日にでも辞めてやりたいぜ・・・こんな、無茶なオーダーしか出さないクライアントと今後も付き合わないといけない会社(上の方針では、今後も懇意にするつもりらしいからなあ・・・)。

 んで、このミッションをうまく上げたら、今後はこれをベースラインに基準工程を組むんだろうし・・・。
 (息切れしまくりで、何とか這いずってる状態をベースラインにされちゃ、体が持たん!ウチの上のほうは、そういう事情を知っていても、解決策として「頑張れ」としか言わんし・・・)

 では、恨み辛みが積もりつもって心に怪異が住み、御行奉為れる前に、本題です(最近の読書:京極夏彦「続巷説百物語」 ^^;)。

 ちょっと前まで、何でこんなに増殖したの?と思うほど大量に新車種が出ていた「極小径折り畳み自転車」ですが、そのうちの一車種、「Mobiky GENIUS」(12 inch。内装3段変速搭載)が現在、公式サイトが半閉鎖状態な上に、自転車店、Webショップ上でも軒並み欠品中という異例の事態になっています(リンク先、公式サイトだが、小さくロゴが出るだけ)。

 噂ではこの車種、フレームの破断か、後輪スポーク折れの多発によって、現在、強度と安全性の再審査に入っているとかいないとか・・・。

 Mobiky GENIUSは、メーカーが以前公開していたカタログによれば、設計上、運転手の制限体重が105kg(荷物含む)まで考慮されていた、このクラスでは特別に頑丈な車体です。
 しかし、国内発売直後から、特に後輪のスポーク折れがメジャートラブルとして語られる時もあり、「運転手は100kgより遥かに軽いのに、何でこんなに簡単に壊れるんだ?」という話が出ていた時期があったと記憶しています。

 同じようなトラブルの話は、極小径車では時々、見られる事です。
 例えば、同じ12インチタイヤを装備したr&m社のBD-Frogも、後輪のスポーク折れが頻発することが一部では有名ですし、もっと小さい車輪を装備したSmartcog KOMAは、シートポスト下のフレーム接合部にクラックが入るというトラブルにより、無償点検・修理が行われるという事態が発生しています。

 これらのトラブルの原因のひとつに、日本人の体に染み付いた自転車の運転スタイル、いわゆる「ママチャリ乗り」があると、個人的には考えています。
 つまり、ハンドルの位置をサドルより高く設定し、体もまっすぐに立ててサドルにどっしりと体重を乗せ、ハンドルには手を添える程度、という乗り方ですね。

 このポジションの取り方は、日本独特のスタイルです。
 なぜなら、そういう乗り方を前提にしている「ママチャリ」は日本国内のみ、あるいは日本向けの限定製品としてのみ、製造されているからです。

 欧州の自転車は、Webショップ等を覗いてもわかりますが、いわゆる「ママチャリ」はラインアップにありません。
 それに近いコンフォート系の自転車でも、日本で言えばMTBに近いスタイルの、サドルとハンドルの高さが同じくらいに設定され、体をある程度前傾させて乗る自転車になります。
 日本以外の多くの国では、自転車は日本で言えば原付感覚で使用されている(らしい)ことを考えれば、より高速を出しやすい前傾スタイルでの乗車が基本であることは、別に不思議ではない話です(ちょっとお買い物に行くための乗り物でなく、速く遠くに行くための乗り物なのだ)。

 つまり、日本以外の国では、体を前に倒し、ハンドルとサドルに運転者の体重を分散させて乗るのが、一般的な自転車の乗り方です。
 自然、車体への荷重もハンドルとサドルに分散するため、同じ重さの人が乗っても、ママチャリよりも後輪にかかる荷重は少なくなります。

 そして、後輪のスポーク折れが多発したMobikey GENIUS、BD-Frogはそれぞれ、フランスとドイツで製造されている自転車です。
 もともと、乗車スタイルは前傾型を基本と考えているでしょうから、105kgに耐える、といっても、まともにサドルに105kgが乗ることは想定していないでしょう(半分〜7掛けくらいは想定しているかもしれないが・・・)。

 しかし、前傾姿勢での乗車に慣れていない日本人が、どかっと腰掛けて、まともにサドルに体重を預けたら・・・。
 標準的な日本人の体重が男性70kg、女性50kgと考えても、先に書いた105kgの半分〜7掛け程度にはなってしまいます。
 これをサドルに全部乗せて、歩道の段差越えなどをしたら、衝撃で瞬間的に105kgを上回る荷重が後輪およびフレームにかかってもおかしくありません。

 そして、日本では一般に、自転車は歩道を走るもの、という変な(間違った)認識があるため、どうしても段差続きの場所を走ることが多くなり、短時間のうちに、何度も何度も、想定を超えた荷重をかけられる可能性もあります。
 これでは想定より消耗が早くなり、部材の破壊が生じるのも無理はないでしょう(国産車であるKOMAも、これが原因でフレームのトラブルを抱えた)。
 逆に言うと、ママチャリはこういった日本の事情に合わせて、特別頑丈に作られているとともに、歩行者の安全を考えて高速が出せないように作られた車体なのです(そのため、とてつもなく「重い」車体になっている・・・)。

 まあしかし、Mobikey GENIUSの欠品は、単に「製造が追いつかねぇんだよぉ!」という理由の可能性もあるわけで、以上のネタは私の妄想混じりの推測に過ぎません。
 しかし、少なくとも海外で製造された自転車に乗る人は、「きちんと説明書に目を通した上で、正しいポジションで乗らないと危険ですよ」ということは言えるかと思います。

 たかが自転車。されど自転車。
 走行中にバキッと逝ったら、下手すりゃ命にかかわる問題ですから、皆さん注意しましょう。

23:49:00 | yo-ta | | TrackBacks