Complete text -- "山で出会った動物(哺乳類)の記録 Part 10(最終回) ヒト"
26 March
山で出会った動物(哺乳類)の記録 Part 10(最終回) ヒト
多忙期の間のつなぎのつもりだったのに、意外に長くなった週末恒例、動物記録シリーズも、今回が最終回です。今週取り上げる動物種は、休日ハイカーである私が、山で出会う事を避けて通れない哺乳類です。
哺乳綱霊長目ヒト上科ヒト科ヒト属ヒト。学名、Homo sapiens。つまり、私達ニンゲンのことですわ(笑)。
しかしまあ、ホント、生息圏でもない場所なのに、毎週末や休日になると、どこからあんなにたくさんの個体が出てくるんでしょうかねぇ?この動物は。
同種生物かつ同傾向の趣向を示す個体群のはしくれでも、とっても不思議な行動だと思います(まあ、私がヒトのことをとやかく言うのもどうかと思いますけど ^^;)。
また、ヒトは社会性のある群を形成する動物の典型例であり、他者依存が強い習性を持っているはずです・・・が、私の主観では、山の中では同じ種でありながら、何だか出会うのが億劫な個体が目立つのは、気のせいでしょうか?
そういう風に感じる要因について、特徴的な傾向を示す個体群ごとに、私の主観を書いて行きましょう。
オジサン群
有名な山(百名山など)を登ったことを自慢したり、新素材の装備(特に防水透湿系)を自慢する傾向が強い。
また、若い個体を見つけると、ここぞとばかり説教(日常系)をはじめるという、致命的な欠陥を持っている。
しかし、中には素晴らしく洗練された「熟練者」や「求道者」もいるのが侮れないところ。
オバサン群と異なり、単独〜3人程度までで行動している事が多い。
ちなみに、防水透湿素材のウェアは、最近は誰でも持っているので自慢にならないし、百名山武勇伝は、私みたいな「百名山には何のこだわりもない派」には何の意味もない。
オバサン群
3人寄れば「歩くクマ避け鈴」で、どんな急登の途中でも、一瞬でさえ黙っていないが、本人達にはその自覚がない。
また、この群に属する個体群が接近中の場合、クマ避け鈴の音より先に、おしゃべりや高笑いが聞こえる場合が多い。
さらに、3人以上の群れで行動する事が多いため、常にうるさく感じられるという、厄介な習性も持っている。
しかし、一方でおやつ、果物、手料理などが次々出てくる「四次元ザック」を持っている個体が多く、世話好きな側面もあるので、オニイサンと呼ばれる程度に若齢の個体は、仲良くすると良い目を見られることも(たまに)ある。
ちなみに、横耳で聞いていると、話している内容は9割方、近所の家庭環境の噂・・・(おいおい、ここまで来て話すことか?)。
ガキ群
「走行→転倒→号泣」のパターンを、一日に何回も繰り返す、小型のヒト個体群。
号泣時に発する音声は、周囲にいる無関係なヒト個体群を苛立たせるのに十分すぎる効果を持つ。
また一方で、最近では山頂からの大展望を目の前に、携帯ゲーム機の画面やカードバトルに没頭している、わけのわからない個体も多い・・・(おいおい、ここまで来てやることか?)。
なお、個体単位では単にうるさいだけだが、集団化すると破壊力は人数の累乗に膨れ上がる。
そこにオバサン群の援護が加わると無敵になるのが、大変厄介だ。
ワカモノ群
あり余るエネルギーのはけ口を探している個体群。群行動している時は、意外に統率が取れており、思った以上に礼儀正しい個体も多い。
よって、山の中で出会う個体群に関しては、最近の風評とは裏腹に、出会っても安心できる相手である場合が多い(町の中では知らない)。
とりあえず、町の中でも、山の中で見せる習性を保って、生活ステージを進めてほしいものである。
しかし、現状で山頂でカレシ群、カノジョ群に変態してイチャイチャすんのだけはヤメロォ!!
(弁当開いて、あ〜ん、とか・・・。うらやましいだろっ!)
オレ(俺)
YO-TAと名乗る個体。行動は突飛で奇異。一方で、徹底して詰めが甘いのが特徴。
特徴的な行動として、登山口でバッテリーの充電を忘れたデジカメを片手に空を見上げていたり、デジカメはあっても記録メディアを忘れて空を見上げていたり、乗る予定だったバスに乗り遅れて空を見上げていたり、山に行く予定の日に起きたら昼だったことに気付いて天井を見上げていたりすることが多くある。
なお、山行計画も、「あの山で○○虫が見られる」と聞いた瞬間に立てるなど、場当たり的な行動が多いのとともに、ルート計画も、「まあ、こんな感じでいいんじゃないか?どうせ行ってみれば全然違うし」という投げ槍なものが多い。
ちなみに、こんなにいい加減でもA型である・・・って、血液型占いなんて、科学的に完全否定されていますから!残念っ!
と、いうわけで、「オレ」含めて、色々辛辣な事も書いてしまいましたが、それだけヒトという生物の目から見た、同じヒトという種の生物は、魅力的で観察し甲斐のある存在だ、ということです。
・・・これでフォローになってるのか?(^^;)
なってないような気がするので、[more...]以降に、もうちょこっと続きを書きます。
んでは、本人はフォローのつもりの続きです(^^;)。
とにかく、日常の生活を離れ、山の中を1人で歩いていると、普段、自分が目に見えない色々なバリアー(国、自治体、企業体など)で守られている事が良くわかります。
例えば、毎日乗っている通勤電車を考えても、運転手、車掌はじめ、駅係員、信号管制、車両整備員、保線員、ATS技師など、多数の人々の縁の下の助力があるからこそ、私たちは安心して乗ることができるのです(意識することはほとんどありませんが・・・)。
しかし、そんなものが存在しないか、良くて、登山道を管理してくださる公園事務所や営林所、地元のボランティアの皆様の助力のみ(ただし、それだけでも相当ありがたい)しか期待できない山の中。
場所によっては、つまづいたり足を滑らせたりするだけで、『簡単に死ねる』世界では、いざ、緊急事態となった場合に頼りになるのは、「ヒト」の中でも、同じ山の中をふらつく趣向を持っている個体群の皆様だけです。
お伽話じゃない(※)ので、動物が何かしてくれるとは思えませんし、上に出てきた「オレ」はスーパーヒーローではありませんから、コロッと死んじゃいますしね・・・。
さあ、そろそろ4月。私も冬眠から覚める時期です。
今年、山でどんな方とお会いするかはわかりませんが、また楽しいシーズンになってほしいと思っています。
・・・それにしても、気まぐれで始めた、この週末企画の「動物シリーズ」。
きれいに10回で、しかもうまい時期に、いい具合にまとまったなぁ(^^;)。
(最後の方は、やや強引だったけどね:笑)
(※)お伽話じゃない
2年ほど前、鹿避けネットに絡まっていたシカを、かわいそうだと助けた人が、直後に突き殺されたことがありました。
いかにヒトの方が親近感を持ったとしても、普通、野生(ヒト以外)の動物はヒトを外敵と受け止めます。よって、必要以上に接近したら、まずは逃走を考えますが、それが出来ない状況と判断したら、実力で排除しようとするのが普通です(先の事例は、不幸にも後者になってしまった)。
また、山の中で遭難したヒトは、雑食性〜肉食性の生物にとっては餌(死肉)が準備された状態でしかありませんから、生かしてくれるなんて事は、まずありえませんね(逆に、さっさとくたばれ、と思っているかも・・・)。
23:52:00 |
yo-ta |
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