Archive for 01 September 2006

01 September

あらら、ニコンも苦労してますね。1,000万画素級デジタル一眼レフの画質。

 石原都知事の任期になってから、毎年ド派手になっていく(^^;)、防災の日恒例、首都圏の大規模防災訓練ですが。
 今年は、特に首都圏では最近、切実な問題である帰宅困難者の支援の訓練に、自衛隊のホバー揚陸艇や在日米軍のフリゲート艦による海上輸送を試行するなど、本気でド派手な訓練が行われたようです(前日夕方に地震があったばかりだし、参加者の皆様は、ずいぶんリアルな体験だったのでは・・・)。

 しかし・・・。
 確かに、今行われている訓練は、以前のような「形式だけの訓練」とは比較にならないほど実質的な、ほとんど演習か?という高レベルな訓練になったとは思いますが・・・。

 本当に首都圏でM7.6の直下型地震(&東海沖地震)を食らったら、今、訓練で当たり前のように使っている埠頭や道路や公園が、そのまま拠点として使えるとは限りませんし、人々が秩序ある行動を取ってくれるとも限りません。
 また、激甚災害の発生から行政が機能を回復するまで、最低でも24〜48時間がかかる(阪神淡路や中越等の震災の事例からの想定らしい)と言われていますから、結局、災害発生直後から24時間以内は個人の自助努力で生き抜かないといけないことに、本質的な意味で変わりはないような気がします。
 (機能回復が24時間後なんて遅い!お役所は被災者のことを考えていない!という皆様もいますが、公務員の皆様も等しく「被災者」なのですから、それで機能が回復するだけ立派なもんだと思いますけどね、私なんかは・・・)

 では本題です。
 本日は、松島基地航空祭のお話はお休みして、デジカメの話題をお送りします。

 先日、市場投入が発表され、現在は発売延期中()のニコンの最新型デジタル一眼レフカメラ、D80の実写画像が発表されました。

 【1st Shot】ニコン D80実写画像(デジカメWatch)

 このサイトに掲載されている日本丸の画像ですが、クリックして拡大画像を見ると・・・。

 日本丸のマスト左後方のホテルの窓枠、画像左下の植込みの上に見える電柱様の白いポール、画像右端のスピーカーポールなどに、色収差から来る輪郭滲みがはっきり出ていますね・・・。
 この傾向は、7月に発売された、ソニーの一眼レフ初号機(1,000万画素級エントリークラス)と同じ状況です。

 こういう、変な色滲みが出る理由としては、レンズの解像性能が撮像素子(CCD)上の画素の細分化に追い付いていないことが理由として考えられています。
 ニコンのレンズは、まあ、価格帯にもよりますが、それほど性能が悪いという物ではないため、原因はやはり撮像素子の画素細分化が進みすぎ、ということにあるのでしょうか・・・?

 しかし、同じくエントリークラスのデジタル一眼レフで、1,000万画素級の機体として、先日キヤノンから発売されたキスペケこと、EOS Kiss Digital X は、β版の実写画像段階ですが、こういった色滲み等の発生は見られていませんでしたが・・・。

 あ、そういえば、噂レベルの話では、ニコンのデジカメはソニー製CCDを使用しているとの事です。
 ソニーのデジタル一眼初号機は・・・普通に考えて自社製CCDを使っているでしょうから(^^;)、もしかすると、この色滲みが強い傾向は、ソニー製CCDの特性、ということになるのかも???しれません(発売時期を考えると、ソニー初号機とD80は、同じか類似の型式の製品を使っていると推測されますからね・・・といいつつ、憶測でしかないですが・・・)。

 とにかく、こういう結果を見せられると、デジタル一眼レフの世界でも、今以上の画素の細分化は無意味にしか思えないですね。
 L版程度に縮小して見る(プリントする)だけならともかく、デジタル一眼レフユーザーの中には、A3まで伸ばす人もいますから、そういう場合はこういったアラが大きく目立ち、マイナス要因を引き立たせるだけの結果になりそうです。

 というか、何度も書いてしつこいと言われるかもしれませんが、「画素数が多い=画像の解像感が高い(細かい形をより正確に表現できる)という図式はある程度成り立っても、「画素数が多い=画質が良い」という図式は必ずしも成立しません。
 しかも、コンパクトデジカメの世界では、あまりに画素の細分化が進みすぎた結果、レンズや画像処理ソフトの性能がついてこなくなり、「画素数が無駄に多いだけで、それに見合った解像感が得られず、その結果、画質の劣化に繋がっている」というのが実態です。
 (コンパクトデジカメの、100万〜300万画素機が主流だった頃は、まだ画素数増加が解像感の増加に繋がり、画質向上に寄与していたんだけどね・・・。ここ何年かは、最初から画質が破綻寸前の絵しか撮れないデジカメが多い)

 今回の、ソニーとニコンのデジタル一眼レフ2機の撮影画像を見ると、コンパクトデジカメの、「間違った方向への進化を辿ったことによる、無駄に進みすぎた高画素化」と同じ市場停滞の法則が、一眼レフにも見られるようになって来ているのではないか・・・というところが、妙に心配になってきます。

 そんな無意味な性能競争でなく、基礎性能をきっちりと煮詰めた製品作りをお願いしたいところなのですが・・・。

23:05:00 | yo-ta | | TrackBacks