Archive for 30 September 2006

30 September

走ってみました。ブリヂストンモールトン。

 最近の、ヒトとスズメバチとの遭遇事故のTV報道を見ていると、民放各局は過剰に恐怖を煽ろうとする意図がミエミエのVTRばかりで、相変わらず正しい報道になっていませんねぇ。
 (こういう、不安を煽って情報操作するやり方は、バブル時代の悪徳商法と同じなんだけど、そういう"いやらしさ"に気付いてないんだろうなあ・・・作っている方は)

 "殺人バチ"なんて言ってる報道もありますが、彼らがヒトを攻撃してくるのは「最終防衛手段」であり、積極的にヒトを狙って襲ってくるわけでもありません(殺人なんて意図していない)。
 つまり、ヒトの方が、そこに至るまで相手を刺激しない術を知っていれば、ほぼ確実に遭遇事故は避けられるのです。

 というわけで、私が見る限り、現在の民放のスズメバチの報道は、少し前まで色々騒がれていた、都会のカラスの報道と同じこと(巣を守るための防衛攻撃を、"ヒトを襲う危険な鳥"として扱っていた)を、今度はスズメバチでやっているだけですね(二番煎じもいいところで、芸がない)。
 もういい加減、レベルの低さに気付いてほしいものです。

 では、冒頭脱線はそこまでにして、異常に長い本題へと入る事にします。
 久々の完全OFF日だった今日。本当は、山に行ってきた報告ができればいいのですが、今年は全然体ができていないので、無理をせず、代償行為である(^^;)ブリヂストン・モールトン(以下、BSMと略記)のポダ系の話題です。

 このカテゴリに情報を求めてくる皆様は、車体のカスタマイズや改造に興味を持っておられる方も多いと思われますが、私の所有車体はまだ「どノーマル」な状態であり(^^;)、カスタマイズや改造までは手が回っていません(ていうか、購入直後でカスタマイズに回す予算が・・・)。
 しかも、私のこれまでの自転車遍歴は、通勤・通学用軽快車(ママチャリ)&6段変速の児童用サイクリング車(懐かしいな ^^;)程度なので、レビュアーのレベルも推して知るべしです・・・。

 と、そんな感じなので、間違ったことが書かれていても、ゆるりとした視点で生暖かく見守っていただき、できれば冷静に、「違うがな!」とツッコんで頂きたいところです。

 まあ、とりあえず、ド素人がこの車体を見てどう思うか!という部分のレポートとして見ていただければと(^^;)。
 というわけで、早速、色々実走してきた感想をご報告しましょう。

 BSMはタイヤの径が17inchのいわゆる小径車で、イメージ的に「シャカシャカこがないと前に進まない!」と思われがちです。
 実際、私の周囲でも、第一印象で「なんか、無駄に疲れそうなチャリだな〜」という人が大勢いました。

 しかし、最初に乗った時に感じた感想は、逆でした。
 こぎ出しから急にグイン!とスピードに乗るので、「うおっ、軽い!めっちゃ走る!」というのが、最初の感想です。
 しかも、踏んだら踏んだだけ、ぐいぐいスピードが出る感じがあって、このままずっと遠くまで走って行きたい、という気分にもさせられます。
 いやもう、とにかく「軽快さ」というファクターで見れば、すんごくよく「走る」車体だと思います。

 反面、慣れないうちは、走り出しの最初の数回転が不安定で、妙にふらつく感じがあったり、小径車の宿命で、ちょっとした衝撃や段差でハンドルがとられそうになったり、軽くて遊びの少ないブレーキのために後輪が浮くんじゃないか、という強烈な制動感に冷汗をかいたり・・・。
 初回走行では、この独特な走行感覚に振り回されないようにセーブしつつ、自分の体に合った変速の段数やサドルの前後位置、ハンドルの高さを確認するのに苦労しました(少し走って、止まって、調整してまた走って、止まって、調整して・・・。違う意味で、無駄に疲れた ^^;)。

 あと、これは単に私が貧脚なだけかもしれませんが、上り坂は軽快車と同じ感覚で突っ込むと、かなりキツイです。
 BSMはホイールベース(前後輪の幅)が軽快車並に長いので、小径車乗りの皆様からよく聞くような、前輪が体に近く、上り坂で失速したらウイリーしそうになる、という感覚は(少なくとも今まで経験している上り坂では)ありません。

 しかし、上り坂でのペダルは軽快車より確実に重く、ギアを低段に落としてもきつい時が多々あります。
 だからといって立ちこぎ(立つこと自体、BSMでは慣れないと難しかった気が・・・)で思い切りペダルを踏んでも、車体が軽い+サスが効いているためか、ボヨンボヨンと車体が跳ねるだけで、ペダルに力が加わっていないような、変な感覚になります。

 また、購入時初期状態では、サドルもスポーツ車系(?)の物が装着されているため、慣れないうちは10分で尻が痛くなってきます。
 軽快車しか知らない私なんぞは、この年齢(いい加減、おっさん)で、蒙古斑ができるんじゃないかと思ったくらいです・・・(ちなみに、レーサーパンツは持っていません。クッション性ゼロの、使い古しの登山用速乾パンツを使っています)。

 そんなわけで、走りながら少しでも尻が痛くならないようにサドルの角度や前後位置を調節したり、ハンドルの高さを調節して座る姿勢を変えてみたり、色々セッティングが大変でした。
 それで随分解消しましたが、今でも1時間近く乗ると、痛くなります(これを回避するには、サドル交換しかないかも・・・)。
 しかし、徐々に慣れてきて、とにかく快適な走行感覚にはまってしまうと、走るのが楽しくてしょうがなくなるタイプの自転車だと思います。

 なお、BSMは自転車好きな皆様の間では、"いじる"所が少なく、完成度が高いと言われていますが、ここまで読んでお分かりいただけるとおり、必要最小限程度は自分で調整しないと、軽快&爽快に走ることはできない感じです。
 経験値が軽快車オンリーの皆様は、「サドルの高さと空気入れ以外いじらない」という状況が普通(私がそうだった)だと思いますので(^^;)、ここは十分注意すべき点かと思います。

 ・・・まあ、ちゃんとした店で購入時に調整してもらえば、それでかなり快適に走れると思いますけどね。
 そういうわけで、この車体は小径車の扱いに慣れている店舗での購入をお勧めします(取扱店舗は、ブリヂストンモールトンのホームページから検索可能)。

 その他で、初心者が特に注意すべき点は、タイヤの空気圧を適切に保たないと、この軽快な走行感は急速に減退する、というところでしょうか?

 BSMのタイヤは、標準圧が700kPa(約7気圧。普通の軽快車は3気圧前後)という高圧タイヤを使っていますが、放っておくと、軽快車しか乗ったことがない人間の感覚では「何でこんなに?」と思うくらい、空気が抜けていきます。
 ローディー(ロードレーサー乗り)な人に言わせれば、スポーツタイヤなら当たり前のことだ、ということですが、700kPaあった気圧が一週間で550kPaくらいまで落ちていたこともあり、最初は本当に驚かされました(高圧だから抜けやすい上に、17インチの小径では、それだけロスの影響が大きいようで・・・)。

 ちなみに、これは軽快車でよく言う、指で押してへこまなければOKというレベルでは判断できません。きちんと、圧力ゲージ付ポンプなどを接続して測る必要があります(内圧550kPaもあれば、小径のタイヤはカチカチ。しかし、走れば確実に重くなっている)。

 よって、可能であれば毎回の走行前(あるいは週一回程度)には、ちゃんとエアを入れ直す必要がありそうです(一応注釈しておくと、本当は軽快車でも、割合にして同じくらいの空気は抜けているそうだ。しかし、多くの人は、走行感が極端に重くなるまで気にしていないだけで・・・)。

 なお、BSM-S18には、標準付属で「Zefal hpr graph」というポンプがついてきます(BSM-R9には付属しない)。
 これは「ハンドポンプ(インフレータとも言うらしい)としては」性能もまずまずな物らしいのですが、日常のメンテナンスには使えない(全然ダメってことはないが、とっても大変)と考えた方が良いと思います。

 私が試してみた結果、無疲労状態からのスタートなら、片輪に6.0〜6.5bar(≒600〜650kPa。付属ポンプの気圧計の単位はbar:バール)まで入れられます。
 しかし、その時点で汗だくで息が上がり、腕力・握力ともにヘロロンな状態なので、もう片輪は頑張っても5.5barまでしか入れられません・・・。

 このポンプはあくまで緊急用(走行中のパンク修理 or チューブ交換後に、一応走れる程度の空気を入れるためのもの)と考え、高圧対応のフロアポンプの追加購入を考えた方が良さそうです。

 しかし、我が家の近所のホームセンターに置いてあったポンプは、「高圧ポンプ」といっても、英式バルブのみ対応で80psi(≒5〜6気圧)前後くらいまでのものばかりです(ちなみに、BSMの標準のタイヤは仏式バルブ)。
 また、高圧ポンプにも当たりハズレが結構あるようなので、これはやはり、専門のショップ(車体の購入店)に相談するのが良いと思います。

 それにしても、圧力の単位、統一してくんない?>自転車業界。

 脳内換算が忙しいって・・・。
 (なお、BSM用タイヤの標準圧である700kPaは、換算数値が覚え易いので、初心者には助かる。よく使われる単位系列で換算表記すると、700kPa≒7気圧≒7bar≒100psi。これを狙って設定しているなら、ブリヂストンの中の人、とってもGJです!)


[Read more of this post]
20:21:00 | yo-ta | | TrackBacks