Archive for 07 October 2004

07 October

実写版「デビルマン」のTVCM

 さっき、つけっぱなしのテレビに、最近「いろんな意味」で話題(?)の実写版「デビルマン」のTVCMが流れました。

 ・・・・・・えっと・・・・・・。

 『パンツァードラグーン』のPS2リメイクですか?

 ・・・・・・・。

 ・・・いや、マジであのCGはキツいっす・・・。


註『パンツァードラグーン』
 1995年に、セガサターン対応で発売された3Dシューティング。PCにも移植された。
 主人公が操るドラゴンを操作する、というゲームで、ドラゴンや敵が、当時としては気持ち悪いほど「うにうに」と生物っぽく動いていた。
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私の、山での遭難体験 Part 2 -焦りがさらに事態を悪くする-

 昨日からの続きです。
 人がよじ登らないと通リ越せないような、巨大な倒木が道を塞いだまま腐っていることから、私は自分の歩いてきた道が、一般の登山道ではないことに気付きます。
 今思えば、周囲にはシカの糞がたくさんあったので、恐らくは大型獣も利用する獣道だったのでしょう。
 しかし、そのときの私には、そんな判断は下せませんでした。ここから、私は少しずつ、危険な方向に追い込まれてゆきます。

 奥多摩のような、都心に近く、休日になるとたくさんのハイカーが押し寄せるような山域では、一般の登山道なら、こんな目立った障害は、夏登山のシーズン中に撤去されてしまいます。
 こんな巨大な倒木が芯まで腐食するまで放置されていることが、ここを通る人がほとんどいないことの証明のようなものです。

 そして、道に迷ったことに気付いた瞬間から、私の体感時間は狂いに狂いはじめました。
 この巨大な倒木に行き当たり、迷ったと確信した時点で、時間は14:00。
 途中でチェックした歩行時間と、標準コースタイムから逆算すると、迷っていたのは30分程度のはずですが、自分には1〜2時間ほども迷っていたように感じられました。
 これが焦る心をさらに危険な方に後押ししました。

 登山やハイキングの遭難時の鉄則に、「迷ったら戻れ」というものがあります。
 迷っても、歩いてきた場所を戻ってゆけば、いつかは迷う前の場所に戻れ、そこからまた正しいルートに戻って慎重に先を進めば、ほぼ間違いなく助かることは、想像に難くないでしょう。
 完全に迷ってしまい、もと来た方角さえわからなくなった場合には、とにかく「高いほうへ行け」という鉄則もあります。
 これは、山の地形が、上に行くほど狭くなり、登山道を探す範囲も狭くてすむ(=体力の消耗を抑えることができる)ことに由来しています。
 逆に、下がれば下がるほど地形は広がり、登山道程度の細い道など、人間という生物の貧弱な視覚・聴覚・嗅覚では、まず発見できない(=歩き回って体力を消耗し、最悪、力尽きる)可能性が高くなります。
 登山やハイキングにおいて、道迷いからの遭難死亡事故は、積極的に低い方に下がっていった結果、滝や崖に行き当たり、そこを無理に下ろうとして墜落死する、というパターンが多いのです。

 さすがにこういう趣味を持っているので、こういった知識は、この時の私の頭にもありました。
 しかし、深い樹林の中では、冬枯れの中とはいえ、はっきり見える範囲は、自分の周囲、数メートル程度しかありません。また、谷道のため、樹間からすかし見ても、反対側の尾根しか見えません。
 そんな場所で、焦りから方向感覚も怪しくなってしまい、今来た方向に戻るとしても、登山道まで辿れるか自信が持てなくなりました。地図を見て、方位磁石で東西南北はわかっても、自分が今、山のどの部分にいるかなどは、周辺の目立った地形との位置関係がわからなければ、正確に割り出すことはまず不可能なのです。
 そして、焦りから10秒が1分にも感じられるほど体感時間が狂っていた私は、初冬という日の短い時期であることも手伝い、歩いているうちに日没になるのではないか、という考えが湧きあがってきて、次第に焦りが恐怖に変わって行くのを感じました。

 そこで私は、そこから上の、道も何もない斜面を登り始めました。
 奥多摩の谷は見た目よりも急峻で沢には滝も多く、滑ったら最後、という場所が多いため、少なくとも「高いほうへ行け」の鉄則だけは守らないと危険だ、と、自分に言い聞かせながらの行動でした。
 経験上、人間の体は、斜面を下るより登る方が得意な構造であることもわかっていましたので、このときはそれが正しい判断だと思えたのです。
 そして、その時、自分は意外に冷静だ、とも思っていました。

 しかし、上に登山道があるかどうかさえわからない斜面を、何も考えずに登ったところで、そんなに簡単に登山道にリカバリーできるはずもありません。
 結局、自分の現在地がわからず、焦る気持ちから、落ち葉で滑る急斜面を、とにかく登りやすい場所を探して、時にはジグザグに、時には真っ直ぐに登っていくうちに、私は完全に冷静さを失っていったのです。

 ・・・明日は、最終回を投稿します。
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