Archive for 23 January 2005

23 January

山で出会った動物(哺乳類)の記録 Part 1 ニホンジカ

 しばらくの間、多忙期のため、あまり顔を出せません。
 せめて週末ごとにはネタを振ろうと思い、今日からは週末は特別企画でお送りします。

 で、その内容というのは、私が奥多摩や裏高尾などの山域を歩いていて、出会った動物(哺乳類)について書いて行きたいと思います。
 何故「表」のメイン被写体の「昆虫」でないのか、というと、そっちは「例を出していたらきりがない」からです(多分、一年365日、虫の話題になりますぞ:笑)。

 とにかく、これからしばらく書いていく動物との遭遇は、全て、東京都内での遭遇体験です。
 東京都内には、まだこんなにたくさんの動物達が生きている、ということを実感していただければと思います。

 前置きが長くなりましたが、第一回目のニホンジカ。
 この動物は、一日あたりの遭遇回数の最高記録を持っている動物です(笑)。
 出合った場所は、奥多摩の鷹ノ巣山、浅間尾根の登山道で、一日に三回も(それぞれ別の個体に)出会っています。

 人工林の中の急斜面を登りきり、落葉広葉樹林に入った段階で、脱兎のごとく逃げた一頭が一回目。
 その先の、クマザサ帯で逃げてゆく小規模な群れを見たので二回目。
 そして、鷹ノ巣山避難小屋前で、登山者に餌をねだりに来ていた個体を見たので三回目。
 この三回、いずれも遭遇距離は目算10m以内という、超至近遭遇でした。

 このニホンジカは、奥多摩の山地では当初、多摩川の北岸(奥多摩湖より北)のみにしか生息していなかったようですが、近年は南岸へと勢力を広げています。
 今では、カタクリの山として知られる&頂上付近の林床の植生が比較的豊かに保たれている御前山(奥多摩湖南東)周辺でも足跡確認の報告があり、植生の単純化や林床の荒廃が危惧されています。

 なお、彼らが勢力を広げているのは、決して奥多摩の環境が良くなっているからではありません。
 奥多摩町北部の長沢背稜や石尾根は、ニホンジカがほとんどの植物を食べ尽くしたと思われるような、植生(特に草本類)の貧困化と単純化が発生しています(いわゆる食害という問題)。
 彼らは餌を食べ尽くし、それでも数が増え続けているため、餌を求めて南へ、南へと移動しているようです。

 近年のニホンジカの爆発的な個体数の増加は、ニホンオオカミの絶滅による天敵の消滅、暖冬の連続による冬季の死亡個体の減少、狩猟禁止措置による過保護などが原因といわれていますが、詳しいことはわかっていません。
 現在、奥多摩町では東京都の主導のもと、これ以上、食害による環境悪化を招かないために、シカの捕獲作戦が展開中です。

 こういう、捕獲作戦には、色々思うところはありますが・・・。
 しかし、この10年ほどで、花畑として知られた石尾根が、シカの食害のために「シカまたぎ」ことマルバダケブキ(微弱な毒性成分を持つため、ものすごく不味い草)以外、ほとんど植物が見られなくなったほどの被害が出ていることを考えると、仕方がないのかもしれません。
22:12:00 | yo-ta | | TrackBacks

寒いと思ったら

 寒いと思ったら、雪降ってました。
 ・・・まあ、積もりそうにはありませんけど・・・。
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