Archive for 22 November 2005

22 November

一緒に酒を飲みたい英雄って?

 ウチの会社は、12月に大きな人事があるため、今の時期は転勤等の内示が出た皆様の壮行会が連チャンの日々です。

 うわ〜、今週は休み明けの木金に2連続で、来週、さらに1件かぁ〜・・・。
 親切な皆様、私の肝臓の耐久力に限界が来ないように祈ってください(^^;)。(私は見事な下戸なもので・・・)

 しかし、私の身近でこれだけ壮行会が集中するってことは、今回の組織改組は結構、大きいってことだな・・・(恐っ!)。

 では本題です。
 今日はひさびさ、「三国志」な話題です(^^;)。

 日本の三国志ファンの間では、上司にしたくない男No.1(だと思われる)張飛ですが。
 本場中国では、意外に人気があるようですね。

 【中国】一緒に飲みたい三国志の英雄:張飛がほかを圧倒

 飲み会がらみで、何となく気になったニュースでした。

 まあしかし、神様になってしまった関羽(関帝廟の神様)や、物語では神様同然に描かれる諸葛孔明が上位にいるのはわかりますが、1位の張飛は、投票数が2位以下のダブルスコア以上というのが凄いですね。
 これは張飛の、「酒を飲んで"はめ"を外し、戦に出れば大暴れ。しかし義兄弟には頭が上がらない」という、その「わかりやすさ」が、親しまれる理由かもしれません。
 大衆文化の中で生まれた物語、「三国志平話(※)」では、(ちょっと方向は違うけれど)無敵のヒーローに描かれているくらいですし・・・。

 しかし、実際の彼の人格は、正史(歴史書の方の「三国志」)によれば、「上にはヘコヘコするが、下には横柄だった」という、部下に嫌われる上司の姿、そのものだったりします()。
 晩年には、退屈凌ぎや面白いというだけの理由で、部下や兵士を殴ったり、挙句に殺したりと、目に余る行動が相次ぎ、君主の劉備に「お前はやりすぎだ!あんなに配下を虐待して、その身寄りを身近に置くなんて、味方に殺されるぞ!」と諭されたくらいです。
 なお、張飛は劉備に諭された後は、身寄りがない人を選んで虐待を続けたという卑劣な性格の持ち主だったりもしますが・・・(で、結局、最後は側近に暗殺された。ある意味、自業自得だ)。

 ちなみに、一般によく知られる彼の「酒好き」な性格も、物語によって作られた人物像であり、「酒の上での失敗」も実際には少なかったといわれています。
 この辺りは、諸葛亮神格化、曹操極悪化と並んで、物語のイメージが歴史解釈までも捻じ曲げた部分になりますが、本当は酒乱でなかったという事は、彼は天然で虐待好きの卑劣漢だったのか?とツッコみたくもなります(それって最悪じゃん ^^;)。

 どっちにしても、私はできるだけ、こんな人とは関わりたくないですな(^^;)。

 ちなみに、私が一緒に酒を飲みたい英雄は・・・曹操、曹丕、曹植の親子3人かな?
 「酒に対しては当に歌うべし 人生幾何(いくばく)ぞ」(短歌行の一節:曹操作)

(※)「三国志平話
 正確には「新全相三国志平話」という物語。「元」の時代(十四世紀頃)の中国で、民衆の間の「三国志」話を編纂して成立した、と言われている物語だそうです。
 主人公は張飛で、彼があっちこっちで強敵相手に大暴れする、という話で、全体の雰囲気は、「宇宙の果てで、殺伐とした殴り合いをやってた頃のドラゴンボール」という感じで、最初は面白く感じても、すぐにお腹いっぱいになります。
 ちなみに、私は途中で投げ出しました・・・(こんなことは、「トラウマ物語」として有名な「反三国志」以来でした・・・)。
22:36:00 | yo-ta | | TrackBacks