Archive for 13 December 2005

13 December

ウチの近所にも、構造計算書偽造物件が・・・。

 冬将軍様、まだこれから長く伸びる戦線を考えれば、今からこんなに激しい攻勢をかけていては、将兵が疲れきってしまいますぞ!
 といって、攻め手を弱めてくれる将軍様ではなさそうですな、今年は・・・(寒いって!)。

 では本題です。
 ついに明日、国会で証人喚問が行われる事態にまでなった、建築物の構造計算書偽造事件ですが。
 先日、ウチの近所のマンションでも、構造計算書の偽造が発覚しました。

 建築主は"あの"「ヒューザー」で、施工は"あの"「木村建設」。
 そういえば、2〜3年前の一時期、この物件のチラシやパンフが、「嫌がらせか?」と思うほど放り込まれていたなあ、と、今更ながらに思い出されます。
 帰宅したら郵便ポストにパンフが束で入れてあり、ドアの隙間にパンフが無理矢理はさまれ、ドアの新聞受けを開けたらパンフがどさっと床に落ちる、という、一体何通置いてんねん!という状態が数日続くような時期もあったくらいでして・・・(おかげで、違う方向で印象に残っている)。

 とりあえず、地元の新聞報道によると、今回の発覚の経緯は以下のような状況になっています。

 最初、姉歯(※)の構造計算書の偽造が発覚した際、ヒューザーはこの物件の住民に対し、「ここが該当するかどうかは、わからない」という説明をしていたそうです。
 そして、偽造事件が大騒ぎになった直後に、ヒューザーが行った耐震強度の再検証結果では、当該物件の強度は最小の部分で0.62だったとされていました(これは、国土交通省が「震度5強で倒壊の恐れがある強度」とした0.5よりは強いことになる)。
 しかし、その結果を不審に思った住民からの要請を受け、世田谷区が独自に検証を行った結果、当該物件の耐震強度は最小で0.343しかない(震度5強で倒壊の恐れがある)ことが判明したというものです。

 これが本当なら、ヒューザーは「最初の設計段階で、構造計算書の偽造に関与した」だけでなく、「偽造問題が発覚後の検証においても、計算結果を偽造した」可能性が考えられます。
 恐らく、ヒューザーは「区の検証では部材強度が過小評価されている」と反論してくると思います。
 しかし、あの社長の体たらくと、今までの住民対応のずさんさを見れば、より信頼できるのは第三者機関である世田谷区の検証結果だと考える人が多くなるのは当然でしょう。
 (何だかんだ言われても、お役所はこういう時、「住民の生命の安全」を第一に考える方向の結果を出してきます。その部分をあわせて考えても、この物件が危険なのは間違いない)

 そして、明日は姉歯をはじめ、事件を起こした関係者達の証人喚問ですね。
 この事件にかかわった主体(個人、企業)は皆、建設・建築工学系をはじめ、「もの作り」に携わるエンジニア系の業界から見れば、「不倶戴天」の存在です。
 それに、この期に及んで責任のなすりあいをしているような、いい加減な連中ですから、手心など加えず、みっちり絞ってやって欲しいものです。

 しかし・・・この件における、現在の「責任のなすりあい&言い訳合戦」の様子を見ていると・・・。
 「六本木ヒルズ、回転ドア事故」直後の森ビルと三和タジマの「醜い責任の押し付け合い&言い訳合戦」が思い出されてしまいます。
 あの時、両者のいい加減な対応を、世論が容赦なく批判したことを、今回の事件を起こした当事者達は、どう見ていたのやら(ちったあ学べ)。
 ちなみに、六本木ヒルズの件は今年9月に一審判決が出て、森ビル、三和タジマの元取締役には執行猶予つきながら「禁固刑」が言い渡されています(当然の報いだ)。

 あと、国会にあっては、帯帽および頭部の装飾物の着用は全面禁止のはずで。
 過去には、ヅラで有名だった議員も、ベレー帽がトレードマークだった議員も、皆、着用を認められませんでしたが・・・。

 どうする、姉歯。


(※)
 報道では「元建築士」という変な肩書きをつけていますが、あの人物に「元」とはいえ「建築士」という資格の名を着けるのは、建築士の皆様に大変失礼な話だと思います。
 今後、刑事告発も確実なことを考えると、「容疑者」と書きたいところですが、まだ法律上は市民のようですから、とりあえず呼び捨てにしておきます。

21:52:00 | yo-ta | | TrackBacks