Archive for 20 December 2005

20 December

中国で「日本製デジカメを売らせない」騒動が持ち上がる。

 風邪はどうやら、予兆だけで抑え込んだようです。
 うん、しかし、まだ完全復調には遠いな・・・(自重、自重)。

 では本題です。
 先日来、日本製のデジカメが、お隣の国、中国で「技術基準を満たさない」として、販売停止に追い込まれる騒ぎが起きています。 

 中国浙江省がソニー製ほかデジカメ数機種に販売停止命令(12/15 デジカメWatch)

 最初は、またソニーが何かやらかしたのか?と思いましたが、どうやらそうではなく、「周辺光量やノイズ、ホワイトバランス、露出、液晶モニターの輝度」という、あまり根幹の性能とは関係ない部分(機体の個性で済ませられる部分)で、妙な基準に引っ掛かっていると言うことで・・・。
 そんなもの、一時期(違う意味で)Webを賑わせた中国製デジカメ「愛国者(・・・って、なんつーベタなネーミング・・・)」の方が「・・・・・・」だったりするわけですが・・・。

 と思っていたら、新たに発表された情報を見ると、どうやらきな臭くなってきたようです。

 デジカメ販売中国差し止め、経産省が聞き取り開始(アサヒ・コム)

 つまり、今回のソニー(一部、ペンタックスも含まれる)のデジカメの件について、政府も中国国内で「反日」などの政治的な圧力を受けている可能性の調査に乗り出したようです。
 まあ、相手が相手だけに、多分、調査しても何もボロは出さないでしょうし、何かあったとしても「首相の靖国参拝反対!」で混ぜ返して終わると思いますが・・・。

 まあ、今回の件の原因としては、いろいろ考えられますけどね。
 いくつか上げると、

 1.ソニー&ペンタックスのデジカメに、本当に何らか技術基準に適合しない所がある。
 2.(1.に似ているけど)日本製品を恣意的にハネる技術基準を推す機関が、それを誇示したかった。
 3.貿易問題に発展させ、政治的なカードに使おうとしている。


 という感じです。
 しかし、もっと邪推のレベルを強くすると・・・。

 近年、中国が国際社会の舞台で、目に見えてこういう「強気」な政策に出てきていることは、皆様もご存知かと思います。
 ここまで目に付く「強気」を発揮し始めたのは、軍隊の装備の近代化(※)にほぼ、目処がたった頃から・・・だったりするのが恐いところです。
 ま、つまり、太平洋を渡ったどこかの国みたいに、「オレの言うこと聞かなきゃ、ドカンと行くぞ?」という威圧に見える時があるんですよね、私の目には。
 アチラの政府高官が「中米関係は良好だが、日中関係は危うい」なんて、したり顔で放言している辺りにも、なんだか黒いものを感じます(日本は、公に軍備増強なんて出来ない国ですから、「お前らは、オレらの敵じゃないんだよ!」と言っているような感じに受け取れたり)。

 まあ、はっきり言って邪推レベルですから、このロジックでの思考は、当たってない(ていうか、当たっていて欲しくない)と思いますけどね(^^;)。
 (しかし、こう考えると、今の政権が異常なほどにアメリカ寄りになるのも、何となくわからなくもないわけで・・・)


(※)中国の軍隊の装備の近代化
 この傾向が、特に目立つのが空軍力です。
 すこし前までは「チャイニーズプレーン」といえばダメ飛行機を表す言葉だった(1990年代まで、旧型機であるMig-21, 23辺りのライセンス生産やデッドコピーが主力だった)ものでしたが、最近ではロシア製のSu-27SK型やSu-30MKK型(旧西側圏では、まとめて「フランカー」と呼ばれる)などの、高性能戦闘機を大量に配備しています。

 ちなみに、これらフランカーシリーズと呼ばれる戦闘機(スホーイ27型からの派生版)は、パイロットの錬度が同じで完全な1対1の勝負なら、日本の主力戦闘機であるF-15では勝てないと言われています。
 現に、ロシア vs アメリカで、Su-27 vs F-15の模擬戦を行ったら、F-15の惨敗に終わったとか・・・。

 とりあえず、現在は日本がAWACSとのリンクなどによる「総合力」で勝っていますが、これも「無節操武器商人国」ことフランス辺りが中国に介入したら、一気に同等レベルに追いつかれるでしょう。
 そうなったら、有事の際、奥行きが浅過ぎる島国日本の制空権は、簡単にアチラさんのものになってしまいます(んで、こういう話、なぜかほとんどの日本人は知らないんですよね・・・)。

 そして、近い将来に中国はSu-27SK/Su-30MKKを、あわせて300機(購入&ライセンス生産あわせた数)も保有する予定が確定的になっていますから・・・いや〜、強気になる理由もわかるわ。

 ・・・といっても、私が今までにお会いした中国の皆さんは、真面目で素朴でいい人が多かったので、「国」はどうあろうと、「人」を嫌いになることは出来ないのですが・・・。

21:18:00 | yo-ta | | TrackBacks