Archive for 12 February 2005

12 February

山で出会った動物(哺乳類)の記録 Part 4 ニホンカモシカ

 カモシカ、というからにはシカに近い仲間かと思っている皆様も多いと思いますが、ニホンカモシカは、実はウシに近い動物です。
 一時は乱獲のために数が減ったといわれ、国の特別天然記念物の指定を受けて保護されましたが、現在は逆に増えすぎた、とも言われています。

 このニホンカモシカとの出会いは、日原林道でした。

 日原林道は、奥多摩でもかなり山深い場所にある林道で、谷は深くて斜面は急峻、という厄介な地形に通っています。
 おかげで、というか、今でも落石が当たり前のようにゴロゴロ落ちてくる場所があります。
 しかし、この道沿いはほとんど人の手がついていない山林も(特に対岸には)多く見られ、様々な生物が生息する環境として、都内レベルで見れば、かなり良好な場所と言えるでしょう。

 ニホンカモシカには、この道沿いで、夏の暑い日に、タテハチョウや山林生アゲハチョウが給水に来る姿を写真に撮ろうと、崖線の湧水の前で待ち伏せしている時に出会いました。
 一時間ほどじっと待った頃、崖の上の方で、カツ、カツ、という音がしたので、何だ?と思って見上げたら、10mほど斜面を登った上の場所で、このニホンカモシカが、同じように「何だ?」という目でこちらを見下ろしていました。

 「ニホンカモシカ=特別天然記念物」ですから、もうちょっと神秘的な登場の仕方をしてくれればよいものを、上からポカンとした顔で見下ろしているって・・・(笑)。
 間抜け面を撮ってやろうとカメラを向けたら・・・何をされると思ったのか、カモシカは急に体を反転させると、崖の上へと走って逃げていきます。
 それも、足下から落石を引き起こしながら!

 どわあああ!何すんじゃワレェ!と思いながら、私も逃走。
 数秒後、ソフトボール大の岩が数個、さっきまで私がいた辺りに落ちてきて、派手な砂埃をあげました。
 直撃されていたら、救急車がいりましたね・・・。

 というわけで、おいこら、ニホンカモシカ!
 特別天然記念物だからって、やっていいことと悪い事があるぞ!

 それにしても、ニホンカモシカって正面から見ると、本当に間抜け面です。

(※)
 最近、奥多摩では、「奥多摩むかしみち」の水根〜中山集落近辺に出没するニホンカモシカの個体が有名です。
 あとは天祖山の、八丁橋付近から始まる最初の登り区間でも、丸々太った個体がよく目撃されているそうです。
21:07:00 | yo-ta | | TrackBacks