Archive for 10 April 2005

10 April

石砂山登山記 −「春の女神」と「春」の洗礼−

 昨日、4/9日のことですが、神奈川県津久井郡の石砂山(いしざれやま)に登ってきました。
 「出かけて 撮って その記録」なんていう副題がついているにもかかわらず、3月までは多忙記真っ只中のためにテキストオンリーなブログになっていましたが、ここに来て、やっとそれなりの話題をご報告できます(^^;)。

 JR中央線藤野駅を7:30分発のバスで「やまなみ温泉」に移動。ここからはコミューターバスで菅井集落付近まで移動するつもりでしたが、ここから次のバスが出るのは30分後(8:16)でした(8:00発でも間に合ったよ・・・)。
 30分待って、8:16分発のコミューターバス(見た目はワゴン車)で菅井小学校(廃校)に到着。ここからは歩行で菅井集落を抜け、登山道に進みます。

 石砂山への道は、途中までは斜面を巻いて行く細い道ですが、徐々に稜線へと登り上げてゆきます。
 道の途中、登山道の上の急斜面からは、昨年の台風ラッシュのために根が持たなかったらしい樹木が何本か、根こそぎ倒れて登山道に覆い被さっていましたが、そこを抜ければ、道は明るい稜線沿いの道になります。

 明るい尾根道を気持ちよく進んで行くと、右の斜面で、風もないのに木の枝がしなる音がしました。
 ん?と思って見ると、不自然にフラフラ揺れる枝先が見えます。で、よく見ると・・・枝の付け根で、幹に片手をついた状態(見ようによっては、「反省」のポーズ)で「フリーズ」しているニホンリス発見(笑)。
 こういう、至近距離での不時遭遇の場合、小動物は下手に動くと見つかりやすくて危険なため、こうやって「フリーズ」していることが多いです(相手が「気のせいか」と思って去ってくれることを待っているわけですね)。
 私がリスの姿に気付くと、リスも見つかったことに気付いたらしく、緊張からか、尻尾の毛が見る見るうちに逆立っていきます。漫画だったら、顔に汗と縦線が書かれている状態でしょうか?(笑)
 それでも動かないので、その姿を写真に撮ってやろうとポーチを開くと、マジックテープの剥がれる音に驚いたのか、リスは弾かれたように跳んで、隣の高い木に登っていってしまいました(カメラを構える暇もなかった。さすがに素早いねぇ)。

 リスを見失った後は、稜線沿いをさらに進み、送電鉄塔周辺の安全伐採帯を抜け、斜度の増した道を進む頃には、御椀を二つ、伏せたような石砂山山頂が見えてきます。

頂上手前
送電鉄塔の安全伐採帯から
 奥に見える二つのこぶのうち、右側が石砂山。

 頂上手前の、意外に厳しい階段を抜け、9:45分頃に到着した頂上では、既にギフチョウが乱舞していました。

ギフチョウ
春の女神こと、ギフチョウ。

スミレで吸蜜
今年は、スミレで吸蜜する姿も撮れた。

 今年のギフチョウは、例年より一週間ほど発生が遅かったようで、この時期でもきれいな羽を保っている個体が多く見られました。

羽、欠損個体
左の尾状突起が欠けた個体。
 チョウ達は、鳥に襲われたり、仲間と争ったりしているうちに、こうやってボロボロになって行きます。

 頂上付近にはそのうち、開けた場所に縄張りを貼るヒオドシチョウやキアゲハなどのチョウも飛来し、ギフチョウを交えての「空中戦」が展開される状況になりました。
 この日は昼前には気温もかなり高くなったので、チョウ達はもう、手のつけようがないほど元気になっているようです。
 こうなると、もう写真撮影は無理なのと、昼が近くなり、山頂に次々と人が集まり始めたので、私はさっさと下山の途につきました。

 下山路は、登ってきた方向とは逆の、篠原集落方向(北東)です。
 最初は雑木林の急斜面につけられた階段を、前につんのめりそうになりながら下ります。
 途中、2人の撮影者が登ってきてすれ違い、さらに進むと、道は平坦になり、ここからはスギの植樹帯になります。

 ・・・が、この植樹帯歩きが鬼門でした。

 私は花粉症のため、この日もマスク着用で行動していましたが、さすがにゴーグルまでは装備していませんでした。
 おかげで、植樹帯に入ってしばらくしたら、目がムズムズと痒くなってきて、それがだんだん、チリチリとする刺激に変わり、最終的には目を細〜くしか開けなくなるほど、花粉が効いてきてしまいました。

 数歩、歩いて涙を拭い、また数歩、歩いて涙を拭い・・・という感じで、残りの山道(歩程にして200m前後だったと思う)を下りきりましたが、その症状が改善する様子は全くありません。
 いやあ、なんて素敵に「春」体感!(大泣)

 本当は、その後、隣の石老山を越える計画でしたが、その山の登山道は、ほとんどがスギの植林帯ですから、これ以上症状を悪化させないために、この時点でリタイアとしました。
 しかし、篠原集落付近では、バスの時間は夕方までありませんので、山裾を大回りする車道に沿って、相模湖ピクニックランド前まで歩くことになりました。
 これが結構遠くて、歩いている間、色々と余計な考えが頭に浮かんだり、途中でチラッと見えた石老山の山頂に向かって、意味なく「勝ったと思うなコノヤロー!」と叫んだり・・・。
 ま、暑かったからねぇ・・・(^^;)。

 あれやこれやありましたが、とにかく、いろんな「春」に出会えた一日でした、ということで・・・。
21:00:00 | yo-ta | | TrackBacks