Archive for June 2006

19 June

再捕獲!室内脱走中のヒラタクワガタ

【またまた唐突に復活した、読んで切なくなった誤変換シリーズ Part 8】

正:体格は小柄
 スポーツで、日本選手が欧米諸国の選手と比較して不利だ、といわれる要因ですよね。

誤:体格は小雀
 つ〜ぴつぴつぴぴ ぢるぢるぴぃ〜っ!!って、鳥かよ!(小雀=コガラのこと)
 まあ、確かに小さい鳥だから、当たらずとも遠からず、だが(^^;)。

 では本題です。
 土曜日に自宅前で保護し、日曜日の外出中に室内脱走されたヒラタクワガタですが、無事、再捕獲に成功しました。

 ふふふ・・・やはり空腹には勝てなかったか、ヒラタよ。


ヒラタクワガタ
ヒラタクワガタ♂(東京都産)
というわけで、本日はその姿もあわせて紹介いたしましょう。
このクワガタは、東京都内では生息場所がかなり限定され、体格は小柄なものが主体だそうです。
なお、たまに東京都内で(大アゴ含めて)60mmの巨大個体が見つかったと思ったら、
海外産(多くは東南アジア産)の亜種だった、ということがあるそうで・・・。
おいおい、ドルクスは亜種間(さらには別種間でも:)交配する可能性があるんだから、
そんなの、野外に放したら、国産種の遺伝子がかく乱されるぞ・・・。

 というわけで、この個体は昨夜、W杯中継終了後に、キッチンに仕掛けてあった餌に来ていたところを再捕獲されました。
 見事、誘引トラップが機能した模様です(しかし、半腐敗バナナ入り糖蜜でなく、思いつきで作ったおろなみん氏の方に誘引されてたのは、なんか変じゃないか? ^^;)。

 まあ、とにかく、この隠遁の名手がどこに隠れていたのかは知りませんが、体中に埃を貼り付けた姿で餌にかじりついている姿は、ゴキブリと紙一重でしたね(^^;)。(小さいし、体は薄いし、黒光りしているし・・・)
 しかし、ゴキ殿は意外に清潔好きで、埃が体に付着していることはない、ということと、顔を近づけたら大アゴを広げて威嚇して見せた所から、要撃兵器「スリッパー号」の出動は未然に避けられたわけですが・・・。

 ちなみに、この餌トラップは、ヒラタクワガタが「どこにそんだけ入るんだよ!」というほど、餌を食いまくる大食漢である習性を利用したものでした。
 つまり、空腹になれば絶対に餌を求めてさまよい出てきて、餌に食いついたらしばらく離れないだろう、という読みですね。
 今回は、見事にヒト(=私)の読み勝ちということで、上の画像の撮影後は、さらに強力なケースの中に収容されました。

 なお、コイツは既に里親が見つかっています(会社の先輩宅の、腕白ボーズの所)。
 毎年、カブトムシやクワガタの飼育をやっている家族なので、きっと大事にしてもらえるでしょう・・・(ってか、もう脱走するなよ!)。

)ドルクスは別種間でも交配
 オオクワガタとコクワガタの交雑は、飼育下ではよく起きることらしく、自然界でも両者の中間的な形態を備えた、雑交配型と思われる個体が(ごく稀ながら)見られるとか。
 なお、雑交配の発生は基本的にレアですが、ドルクスの雑交配は、他の生物種の自然状態における雑交配率と比較すると、多いと見てよいレベルなのだそうです。

23:48:44 | yo-ta | | TrackBacks

13 June

ボロでも頑張って生きてます。昆虫の発生期終盤によく見る姿。

 日本、黒星スタートになりましたね>W杯。

 それにしても、昨日の試合はサッカーを見る目がド素人の私から見ても、後半の最後は完全に緊張がキレて、無様としか言いようがない状態に見えましたが・・・。
 2点目と3点目の失点は、シュート練習ですか?と言いたいくらい、きれいに決まってましたしね。

 あと、全体的に前回大会の代表チームの試合と比較して、ボールを持った時の威圧感というか、そういう物が画面から伝わってこなかった気がします。
 なんか、「そこ、パス出していいよね?俺、走っていいよね?」という感じで、動きに迷いがあるというか、意思統一できていないと言うか、「前に出る」という気迫が希薄に感じました(シャレでなく)。

 まあ、残す試合は超強豪国のみ。
 結果はどうあれ、とにかく、あんな風に無様な失点をするのだけはやめて欲しい物です。

 では本題です。
 二日連続、昆虫ネタで、それが苦手な皆様には申し訳ないですが、続けます。

 季節の変わり目のシーズンになると、発生期最後くらいの昆虫達の姿を見る事ができるわけですが、いわゆる自然界の食物連鎖(食物網)の中では下位に属する生物だけに、発生期最後頃の彼らの姿は、痛々しいを通り越している場合が少なからずあります。


ボロボロのサカハチチョウ春型
ボロボロになっているサカハチチョウの春型
例えば、こんな感じ。色々な意味で、よく生きてたなあ、と思った(^^;)。
発生時期的にもかなり遅く、例年はもう、春型はいなくなっている頃だし、
これだけ派手に羽をやられるような危険に遭遇したんだし・・・。


 いやあホント、見るだけで痛々しい限りです(^^;)。
 昆虫類の、特に成虫は繁殖活動のための体力を温存しておく以外は消耗する一方の存在であるため、手足の一本、触覚の片方、羽の一部などが当たり前のように折れたり、破れたり、千切れたり・・・。

 そういう話が苦手な皆様は、既にここを読んでいないかもしれませんが(^^;)、時には体の半分が不具になるほどの重傷を負っていながら、まだ動く体だけで求愛行動を行っているような、同じ♂から見て「そこまでやるか」な奴までいたりします。
 まあ、そこまで逞しい連中だからこそ、現在の地球規模での繁栄を勝ち取ることができたのでしょう。

 というわけで、世の中では意志が弱い状態などを「虫ケラ以下」なんて言ったりしますが、その虫ケラ達が、こういう姿でも構わず平気で生きている所を見ると・・・。
 はっきり言って、ヒトは全員、虫ケラ以下でしかないなんて、そんな風に考えてしまったりもするわけです(これ以上の存在になれって、どうやればなれるのよ ^^;)。
23:54:00 | yo-ta | | TrackBacks

12 June

カラスアゲハとミヤマカラスアゲハ。非常に良く似た近縁種の見分け方。

 ソニーのαの実写画像がWeb上に公開されているようです。

 【1st Shot】ソニー α100(β機)実写画像(デジカメWatch)

 私の中では「無視」属性の機体なので、前振りのネタにする程度で多くを語る気はありません。

 が、ひとつツッコむと、この撮影に使ってるレンズって、キット販売される奴の筈ですが。
 レンズの解像性能が、撮像素子上の画素の細分化に追い付いていない(ビルの窓枠や船の左のポールに、色収差から来る輪郭滲みが酷い)のがバレバレですが、「常用」あるいは「標準使用(標準性能判定用)」にもなるレンズとして、本当にこれで良いのでしょうか?(このまま出したら、"祭られる"と思うけどなぁ・・・)

 では本題です。
 現在、「表」のサイトで掲載中の美麗蝶、「ミヤマカラスアゲハ」ですが、この種は近縁種の「カラスアゲハ」(こいつもなかなか美麗な種)との見分けが、パッと見では難しい種としても知られます。
 私も、以前は何度か、種名を取り違えて掲載していた事がありました(最近は、いい加減、見分けにも慣れましたけど ^^;)。

 ちなみに、分類学上の命名から見ると、何となく「カラスアゲハ」がベースで、「ミヤマカラスアゲハ」が後追いで同定されたように見える(確認したわけではない)ので、「カラスアゲハとの相違点」という観点で、「ミヤマカラスアゲハの特徴」について、(奥多摩型の)実例をもとに書いていくと・・・。

1.前翅の表面、後側の縁にほぼ並行に、白っぽい(新鮮な個体では光沢が幾分強い)筋が入る。
 カラスアゲハの場合、この部分の筋は不明瞭。
 ただし、奥多摩産のカラスアゲハの、特に夏型のオスの場合、そこそこはっきりとした光沢線が入る個体が多いのがややこしい。
 ミヤマと並べて比べれば、明らかに薄いとわかるのだが、個体単独で見ると、「ミヤマだ!」と誤解する場合もある(より美麗な種であって欲しい、という願望が強いと特に)。


ミヤマカラスアゲハ
ミヤマカラスアゲハ(檜原村産)
檜原村産だが、連続した山地に含まれるためか、外見は奥多摩産と変わらない(カラスアゲハも同じく)。
この個体では、前翅の筋が明瞭に確認される。
なお、奥多摩産の夏型の、羽化直後の超新鮮個体を除くオスの前翅は、
この筋に沿ってのみ、光沢があるように見える場合が多い。

カラスアゲハ
カラスアゲハ(奥多摩町産)
前翅の縁に並行に、微妙に光沢の強い筋が入っているのがお分かり頂けるだろうか?
これを見て、「ミヤマだ!」と判断されている時もあるのだが、
上の画像と比べると、見た目ではっきり異なることがお分かり頂けるだろう。
正確な種の同定のためには、可能なら翅裏も同時に確認した方がよい。
(それができれば苦労しない、という場合が多いのも確かだが・・・)


2.前翅の裏面、外縁側にある白い線の太さがほぼ一定。
 カラスアゲハの場合、前広がりの楔形になる。
 奥多摩産のカラスアゲハやミヤマカラスアゲハの場合、春型はこの白い部分が広く、線の太さを判断できない場合もあるが、夏型はここで判別可能な個体が多い。

3.後翅の裏面、外縁側にある赤斑列の内側に白い筋がある。
 カラスアゲハの場合、ここに白い筋はない。
 ただし、奥多摩のミヤマカラスアゲハの、特に夏型はこの線が薄く、場合によっては全くない個体もいる(この線が消えるのは、暖地型の特徴だそうだ)。


ミヤマカラスアゲハ裏側
ミヤマカラスアゲハの翅裏(檜原村産)
前翅の縁にある筋の太さは、この個体では判断が困難だが、夏型は一定の幅の筋が出る。
反面、この個体は後翅赤斑列の内側に白い筋がはっきり確認できる。
夏型ではこれが薄かったり、途中で切れたり、挙句に全くない個体も多い。
なお、夏型の「筋消え」率は、低標高の場所で多いような気がする。
(最後の一行は個人の感覚。裏は取ってない)

カラスアゲハ裏側
カラスアゲハの翅裏(奥多摩町産)
前翅裏面の外縁側の筋は前に行くほど広がっており、後翅赤斑列内側に白い筋がない。
春型は前翅裏面の白筋部分が広く、太さの変化が判断不能な個体も多いので、後翅での確認が必要。


 以上のような感じです。
 春型、夏型のそれぞれの特徴に注意しながらこれらの部分をチェックすれば、両種の混同が生じることはまずないでしょう。
 (なお、目安として、奥多摩の山林生アゲハの発生期は、春型が5月上旬〜6月初旬、夏型が7月上旬〜9月頃まで。その間の6月中旬〜7月頭頃までは春型〜夏型の移行期になり、一時的に数が少なくなる)

 とはいえ、給蜜や給水のため、そこそこ長時間じっとしている相手ならともかく、飛翔中(特に翻翔、つまり羽ばたいて飛んでいる時)の個体を見て両種を判別するのは、かなり困難です。
 また、悪いことにカラスアゲハ/ミヤマカラスアゲハは飛翔力が強くて、普通に飛んでいる時でも、飛行速度はかなりのものですから、識別するにもすれ違う一瞬が勝負になるという困難もあったりします。

 それでも、場数を踏んで、一方の種だけでも良く見慣れていれば、ほんの一瞬の見え具合の違いで「あれは普通のカラスで、こっちはミヤマ・・・」と大体の"あたり"をつけられるようにはなって来ます。
 そして、慣れた人はその大体の"あたり"の正解率が9割を超えるという、素晴らしい成績を残してくれたりもします。

 しかし、「そういう人」は得てして動体視力も物凄く優れている人である場合が多いので、真似をするにも限界があります(^^;)。
 「そういう人」は、似た姿が多いことでは黒色系アゲハ以上の、ヒョウモンチョウの仲間でさえ、一瞬で正確に見分けていますからねぇ・・・(私はアゲハもタテハも、滑空中ならともかく、翻翔中の個体の識別はド普通種でもない限り、いまだに無理)。

21:48:47 | yo-ta | | TrackBacks

07 June

ネタがないので、写真でごまかす。この虫は、チョウ?それともガ?

 現在、デジカメ系のニュースサイトは、ソニーの「α」の話題だらけです。
 が、それ以外の話題がないので、何だかネタを吸いにくいのが大の難点・・・。

 というわけで、画像の放出でお茶を濁してしまいましょう。

 というわけで本題です。
 多くの皆様は、チョウとガを見分けるとき、羽を立てて止まったらチョウ、屋根のように寝かせたらガだ、とか、夜行性ならガだ、という風に思っているかもしれません。

 では、下の画像の虫は、チョウでしょうか、ガでしょうか?

イカリモンガ
さて、どっちでしょう?


 正解は、ガです。
 このガは「イカリモンガ」といい、最もガに見えないガとして有名です。

 パッと見でタテハチョウの仲間に見えるため、初めてこのガを見た時は、まず図鑑のタテハチョウの仲間で調べ、記載がないので他のチョウの所を調べ、どこにも記載がないので「新種か!」と思ってしまう事もあるようです。

 まあしかし、行く場所に行けば腐るほどいるこの虫が新種であるはずもなく、図鑑のガの仲間を見れば、普通にこの虫は記載されているはずです(チョウと取り違える事が多い、という付書とともに)。

 ちなみに、このガは昼行性であるため、ガだと気付くまでに時間がかかる場合もありますが、昼行性のガにはこのイカリモンガをはじめ、スズメガの仲間など、かなりたくさんの種が存在します。
 こう考えると、一般に言われるチョウとガの実分け方は、実はごく一部の種にしか当てはまらない事に気付かされます。

 ちなみに、チョウとガを見分ける決定的な違い、というモノはあまり明確ではないため、海外では別の種として区別されない国もあるようです(なんか、その方がいいような気もします)。
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