Archive for 06 January 2006

06 January

大雪の記憶(56豪雪)。

 長引きに長引いて、やっと出口が見えかかってきたか、と言われている今の不景気の中で、さおだけ屋は、本当はかなり潰れています
 いや、特に意味はありません(ちなみに、↑の本は立ち読みで正解だった。内容、薄っ!)。

 では本題です。
 新年以来、毎日話題に出していますが、実家の方の雪が、そろそろシャレにならない状況になってきているようです。

 福井市内の福井地方気象台で、70cmを超える積雪(こんなに積もったのは何年ぶりだ?)がアメダスの速報データに入ってきていますし、山間部の市町村では1mオーバーなんてザラ。
 大野市東部の旧和泉村地区では、2mを超える積雪が観測されているようです。

 ここまでの大雪になると、私は子供の頃に経験した56豪雪(ごーろくごうせつと発音)を思い出します。
 昭和56年、年明けとともに「ドカ雪(という形容がマジでピッタリな量の雪)」が降り始め、福井市内でも一晩で1m近い積雪を記録。
 交通は鉄道、道路ともに完全に寸断され、孤立した山間の集落までは自衛隊の輸送ヘリが、生鮮食料や燃料などの物資を満載して、文字どおりのピストン輸送を春まで続けました。
 (毎日、頭上をオリーブグリーンの輸送ヘリが、バンバン飛んでいったからなあ・・・)

 臨時の雪捨て場になった福井城址の堀は、市内から運ばれる雪で完全に埋没し、城の石垣より高い(5階建てのビルと同じ高さの)雪山ができるという状態になり。
 さらに、福井市内を流れる県内第3位の規模を誇る河川である足羽川(一昨年、水害を起こしたあの川)も、あまりの捨雪量にせき止められる寸前になり。
 市内各所の量販店の駐車場などの広い場所は臨時の雪捨て場になり、二階の屋根ほどの高さにまで雪が積み上げられ、そこは子供達がミニスキー(※)やソリや尻で滑って遊ぶ場所になっていました。

 もちろん、こんな時には市内の交通も混乱を極め、除雪が間に合わないため、4車線道路が対面通行しか出来ず、歩道の歩行者が歩いている雪面は、自動車の屋根より高所。
 しかも、歩道が併設されていない道路や、歩道があっても歩けるほど雪が踏み固められていない道路では、細くなった車道の、雪の壁沿いを歩行者が歩くため、車両のすれ違いもできなかったくらいです。
 もちろん、山間の集落では家屋倒壊も相次ぎ、林業も立ち割れや圧雪倒木などにより、大きな被害が出ました。

 こういう年でしたから、私も何度か屋根雪下ろしを手伝い、2階の大家根の上まで登って、スコップを振り回していたものです。
 お約束で、下屋から落ちたりもしましたが、幸いにして、子供の体を優しく(?)受け止めるくらいの積雪はあったので、無傷でした(ただし、胸まで雪にはまって、脱出に大人数人の手が必要だったような記憶が・・・)。

 そしてこの年、市内の全ての雪が融けたのは、4月に入った後だったと記憶しています(特に、雪捨て場の雪は、なかなか消えなかった)。

 まあとにかく、その豪雪の冬は、東京にいた皆様や、南方出身の皆様の想像を絶するような風景(銀世界を越えて、『白魔の世界』とまで言われていた)と生活が繰り広げられていました。
 そして、今、福井といわず、北陸〜北日本全域が、その当時に近い状況になりつつあります。

 というわけで、この週末の3連休に、スキーなどで北陸や北日本に向かう関東圏&関西圏の、雪に慣れていない皆様。

 悪いことは言いません。
 雪中の車中泊は、絶対にやめてください。
 そんな事をする人は、雪慣れしている地元民にはまずいません(危険すぎて出来ない)。

 雪に車ごと埋まって、排気ガスが充満する車内で一酸化炭素中毒で死ぬとか。
 寝ている間にアクセルを踏んでしまい、一気にオーバーヒートした車ごと炎上して黒焦げになるとか。
 それならエンジンを止めていれば大丈夫と思って、普通に埋まって凍死か窒息死するとか、とにかくそういった悲惨な最後を遂げたいなら、止めませんが・・・。
 (毎年、1〜2件くらい、そういう事故があるそうな・・・)

 ちなみに、車で行く皆様は、スタッドレスタイヤを履かせるか、大まけにまけて、ノーマルタイヤ+チェーンくらいの装備がないと、特に早朝のアイスバーンでは全く身動きが取れなくなるので、ご注意・・・。
 (まあ、さすがにノーマルタイヤで雪道に特攻する馬鹿はいないと思いますけど・・・)


(※)ミニスキー
 長靴などに直接装着する、長さ数十センチほどのプラスチックのスキー板。雪国出身の人なら、ほとんど全員がこれで遊んだ経験があるのではないかと・・・。
 ちなみに、福井では本格的な長板を履いたスキーなどをする人は、都会の人がイメージするほど多くありません。
 これは、余程スキー場に近い地域に住んでいるならともかく、遠隔地の人は、冬にわざわざそんな所に出かけるのが億劫なためです(いや、マジに)。
 県内最大級の規模のスキー場である「スキージャム勝山」では、関西弁しか聞こえないと言われるくらいなので・・・。

22:29:00 | yo-ta | | TrackBacks