Archive for 15 November 2006

15 November

オオタカ問題ですか・・・

 一難去ってまた一難というか、火曜日に出張から帰ってきたら、「明日(つまり今日)、大宮へ飛べ」という指示をメールで受け。
 そのミッションを終わらせたら、「明日から24時間、外の現場につけ」という指示が飛んできて・・・。

 んで、「今週中に上げろ、と言われていたアレやコレはどうするの?」と聞いたら、「頑張って何とかしろ」という指示が・・・。
 ・・・あのなぁ・・・頑張れる余地がどこにあるんだと・・・。

 では本題です。
 漫画にやたら詳しいバイトから、講談社「イブニング」誌に連載されている動物園か何かの漫画(タイトル忘れた ^^;)で、今週からオオタカ問題を取り上げることになったようだ、という話を聞きました。

 ・・・まあしかし、私は昨シーズン、実際のオオタカ調査の現場に、プロの調査員さんの手伝いで入り込んだ関係で、本当に「色々」な話を聞けたので、さて、どこまで問題の本質を描いてくれるのか、と、楽しみのような疑いの目を向けたくなるような・・・。

 オオタカは猛禽類(ワシ・タカ・フクロウの仲間)の仲間では大型の・・・といっても、カラスよりちょっと大きい程度の鳥で、主に鳥類を捕らえているタカです。
 私が去年、ちょっとだけかかわった関東某所では、主にハト、カモ、ムクドリ、ヒヨドリといった鳥類に加え、時々キジやカラスのような、かなり大型の鳥類でさえも餌にしていた形跡が残されていたそうです(私は主に、写真で食餌の跡を見せていただいただけ・・・)。

 なお、オオタカは、いわゆる食物連鎖のピラミッドの上層に位置する生物種のひとつであるとともに、行動範囲が巣を中心に直径数キロにもなる生物であるため、かなり広域に良好な環境が残っていないと生息できない生物だ、と考えられ・・・ていました(最近は、ちょっと事情が違ってきたらしい)。
 そして、環境保護団体が保護活動で象徴的な生物に掲げることが多く、ギフチョウ同様、理念ばかりが一人歩きした、間違った扱いを受けることも多々ある生物になっているそうです。

 その事例のひとつとして、関東近辺で実際にあった話の中には、某公共事業の現場で、実際には何年もの間、姿が確認されていないのに、「オオタカがいたぞ〜!」という声を上げ、地域住民を巻き込んで「保護活動をやるぞ〜」と騒ぎはじめた自然保護団体があり。
 その真偽を確かめるべく、行政が環境調査に入ろうとしたら、調査員や行政の担当官の顔写真を「○○事業推進派の手先」みたいな言い掛かりと供にネット上にばら撒き(もちろん、勝手に)。
 「調査なら、俺たちの活動に助成金を払えばやってやる」という身勝手なことを行政に主張し続け(←本当に、こういう言葉で、国や自治体の担当官に応対していたらしい)。
 行政側がその主張を無視し、学識経験者を交えて調査をやり遂げてから事業を推進しはじめたら、団体構成員の多くがどこかに消えてしまった、という事例が何件もあったそうで。

 まあ、これは何をかいわんやな話ではありますが、おおくの、純粋な気持ちからひたむきに活動している自然保護団体の皆様には大変、迷惑な話でしょうが。
 中には、少数ながら(本当にごく少数ながら)、そういう変な団体が紛れているんだ、という事例です。
 (私も以前、そういう噂のある地域によく行っていた関係で、何かの集会かイベントに鉢合わせたことがありましたが、構成員が熱っぽく語る自衛隊のPKF参加への反対や沖縄の米軍基地問題が、何で関東のどこぞの地域の自然を守ることに関係あるのか理解できなかった。今でも理解できないが・・・)

 ちなみに、近年、オオタカの調査技術はそんな背景もあって著しく進歩し、特に関東では、猛禽を追い続けて何十年、という研究者の方でさえ、「何でこんなところに?」と首を傾げたくなるような場所で繁殖が確認されたりしているそうです(道路脇10mの場所とか、公園の中の木とか。今までは、そんな所にいるはずがない、と見落とされていたらしい)。
 ただし、それは環境に適応した結果か、否応なくそういう場所に追いやられている結果であるかは結論がでていないため、彼らの本来の生息地を守るのが重要なことは、間違いない事実なのだそうですが。
 (ていうか、近年は定住しているオオタカより、渡りタカであるサシバの渡来数が年々減少しており、こっちの方が余程絶滅に近いと言われている地域もあるそうだ。今の日本は、それくらいの勢いで環境がどんどん変化しているらしい)

 なお、昨年、オオタカ調査のお手伝いをさせていただいた時の逸話として、彼らは肉眼で遠くに姿を見ていても知らん振りしている癖に、双眼鏡やフィールドスコープ越しに姿を見ると、じろっとこっちを睨み返すため、レンズ越しのガンの飛ばし合いをすることができました(^^;)。

 ていうか、ヒトに対する時の距離感、完全に掴まれてるやん・・・(あっちの方が上手と見た・・・)。

23:41:00 | yo-ta | | TrackBacks