Archive for 01 May 2006

01 May

北アルプスで雪崩事故。春山シーズンの最初から・・・。

 奥多摩では標高1,000mを越える尾根にカタクリが咲き、平地では街路樹の緑が本格的に濃くなって来ており、東京はもう初夏の陽気・・・を通り越し、本日は暑い!という日になりました(昼食は冷やし中華。夏バテ一直線!)。

 なお、東京の平野部、本日は30度を越える気温を観測した所もあったようで・・・。
 やれやれ、なんて極端な一日だったのやら(^^;)。

 では本題です。
 今年、日本アルプス等の高山地帯においては、3〜4月にかけて、例年になく残雪が多くて雪渓が不安定な上に、時ならぬ積雪に伴う表層雪崩等による事故が相次いでいました。
 あまりに多発する事故に、「今年は何かがおかしい」という雰囲気があったため、某山岳系のサイトでは、さらに雪が緩んでくるこの連休の春山登山期には、「さらに何か起きそう」ということで、南北アルプスの登山自粛ムードなども漂っていたのですが・・・(完全に「落ちる」まで待つ、という人が多かった)。

 しかし、どうやら皆が恐れていた事が起きてしまったようです。

 雪崩:登山中の3人死亡、2人負傷 北ア・針ノ木岳(毎日新聞)

 現場には、今年は例年にないほどの残雪があった上に、今日は気温も夏と同じくらい高く、さらには前夜から激しい雨があったとのことで、雪もかなり緩んでいたのでしょう。

 なぜ、こんな日に雪渓に・・・とは誰もが思うところでしょうが、余程のポカミスや常識外れの行動(赤信号を無視して事故にあったとか、そういうレベルでの常識外れ)でもない限り、その場の判断が正しかったかどうかは、本当にその場にいた人にしかわからない物です。
 ただ、やはり外野席にいる私の目には、「今年は以前から雪崩による事故が多発していたのは、山関係者ならよくご存知のはず。もう少し、慎重でもよかったのでは・・・」という感じに見えてしまいます。

 もっとも、私もその場にいたら、好天に恵まれたと思って雪渓に向かって足を踏み入れていた可能性もあるわけですから・・・何とも難しい話ですが・・・。

 そして、ちょっと後々、山岳系の世界が揺れそうな感じがありますが、今回、事故に会われた皆様は、山をやっている人の間では有名な団体である「無名山塾」のメンバーだったようです。
 この団体は、多くの山岳系の著作を記されているとともに、NHK教育テレビで放映されていた「中高年のための山歩き」等の講師役で有名な岩崎元郎さんが主宰する団体で、「初心者でも安心・安全な登山」を心掛けている団体であり・・・。

 もちろん、安全意識に関しては、いわゆるABSなレベル()ではないと思われますが、それでも今回の事故は回避できなかったわけで・・・。

 とにかく、連休後半に春の高山を楽しむ予定の皆様は、「春山」とは言っても、森林限界以上はまだまだ深い残雪のある地帯であり、それが気温が高くなったことで緩み、今にも崩落しようとしている可能性が高い事を十分に意識して、事故を起こさないように注意していただきたいと思います。

 末筆ながら、今回の事故で命を落とされた皆様のご冥福をお祈りいたします。

)ABSなレベル
 ABSとは、「あのバカ、遭難しやがった」の隠語。
 文中に出てくる、「赤信号を無視して直進し、事故に遭遇」というレベルを越えて、「赤信号の意味さえ知らずに直進し、事故に遭遇」とでも言うレベルの、常識では考えられない遭難を指す。
 おしゃべりに夢中で道の分岐を見落として迷ったとか、富士山の山頂行きバス(あるわけないだろ!)のバス停を探しているとか・・・。

22:15:00 | yo-ta | | TrackBacks