Archive for 19 May 2006

19 May

私が山に登るときに気をつけていること Part 5

 や・・・やっと連休明け進行が・・・終わった・・・。

 この二週間、口先は達者だが、期限が来ても契約内容の3割も完成させていない取引先に激しくキレ、会社で仕事をしていると、絶妙なタイミングで横槍が入ることに辟易して、とにかく年度末の多忙期と同じくらいの、強烈な時間を過ごしました。

 ・・・その割に、最近長文の投稿が多いって?
 書きだめのストックというやつでんがな。

 では本題です。
 今日は、多くの人が疑問に思っているであろう、だから私は何で山なんかに登るのよ?という部分について、よしなし事をウダウダ書いて、このシリーズの〆と行きましょか。

 ちなみに、「なぜ山に登るのか?」と聞かれて、「そこに山があるから」と答えた著名な登山家の方がいらっしゃいましたが。
 「なぜ山に登るのか?」と聞かれて、私が答えるとしたら・・・

 「知らんがな。」

 の一言です。
 っつーか、何かを好きになる事って、そんなにしっかりした理由があっての事ですか?

 例えば、好物を目の前に、「あなたは、なぜその食べ物が好きなのか?」と聞かれて、理由を論理立てて説明できる人がいるとは思えませんし、「重厚な食感とあいまった風味が、隠し味のほのかな調べとともに、喉の奥に爽やかに吹き抜けるハーモニーとなって・・・」なんていう「美味しんぼ」な説明をされたら、「誰かバズーカ持ってこーい!」という気分になるだけだと思いますけどね。

 とにかく、何か理由はしらんが、やってみたら面白かった。んで、繰り返しやっているうちにはまってしまった、と、そんな程度です。
 パチンコじゃないんだから、と言われるかもしれませんが、山の中を歩き回るのは、暗い屋内で椅子に座って悶々とするだけの非生産的な行為より、ナンボかましだと思っていますが・・・。

 とはいえ、私は山好きな人種の中では、かなり特異なグループに分類されると思います。

 まず、富士山は確かに一回くらい登ってみたいと思いますが、いわゆる日本百名山完登には全く魅力を感じません。ですから、山で出会う「百名山自慢オヤジ」の戯言は、右から左です。
 また、良くいわれる「より高く、困難を求めて」という奴も、ほとんど何の魅力も感じませんから、それを押し付けられると逃げるかキレるかします。

 反面、低山域の深い樹林の道を、年間で何度も繰り返し歩き、春夏秋冬の移り変わりを肌で感じ、生物達の生活の一端に触れ、「山」とそれを取り巻く地域の皆様とのかかわり合いから見えてくる、かなりローカルな単位での「地域文化」に触れる事の方が、何倍も楽しく感じます。

 この辺が、私が山岳会というものに所属せず、所属しても短期間で嫌になる所なんですけどね(^^;)。
 以前、お世話になった所も、最初こそ「楽しくやろう」という雰囲気だったのに、そのうち「冬のアルプスをやらないで、ウチの一員と思うな」という変な選民感情を露にして、ボッカやカモシカなどへの参加を強要される事が増えてきたので、3ヶ月で飛び出し、それきりになっています。
 (そんなガリゴリに凝り固まった「山男」像に固執した集団が、柔軟な山ができるとは思えないんですが・・・)

 そんなわけで、私は槍や穂高よりも石尾根という、多くの「山」な皆様から見たら、変な奴になっています。

 しかし、そんな変な奴から見たら、奥多摩というフィールドは、とても面白い場所です。
 標高2,000mから数百mまで、様々な標高の山々がひしめき合い、山ごとに微妙に異なる環境を有しており、地域、集落単位でそれらとの関わり方が微妙に変わるという、何度訪れても飽きない場所になっています。
 この魅力に取り付かれている限り、私の山行きはまだまだ続くでしょう。

 あとそれから。
 「なぜ山に登るのか?」と聞かれて、それに論理がしっかり通った理由を答えられるようになる時が来たとしたら・・・。
 それから先は、その「理由」に沿った山行を作業的に繰り返すように感じられ、すごくつまらないものになってしまうでしょうね。

 ですから、私は「なぜ山に登るのか?」という問いの答えは、探す気もありません。
 (やはり、変な奴ですかね? ^^;)

22:54:30 | yo-ta | | TrackBacks