Archive for 23 May 2006

23 May

PENTAX、ボディ内手ブレ補正搭載のデジタル一眼レフを発表。

 先週で連休明け進行はとりあえず終わったのですが、しばらくそれに"かかりきり"だったために放置されていた他の事案が、今になって大変な事になっています。
 しばらくの間、「あっちを片付けるために注力したら、こっちが疎かになる」という、悪循環スパイラルの中に落ちそうです(泣)。(だから人手をもっと・・・)

 では本題です。
 しばらくの間、大型新製品の噂が枯渇していたデジカメ界ですが、本日、PENTAXから新型デジタル一眼レフの発表がありました。

 ペンタックス、ボディ内手ブレ補正搭載一眼レフ「K100D」(デジカメWatch)

 例によってニュース系サイトで情報が発表されても、メーカーページには情報が上がらないという、PENTAXならではの不思議な公告戦略(?)が行われているので、現在ニュース系サイトに上がっている限りの情報で話を進めますと・・・。

 このデジタル一眼レフは、今春のPMAやPIEなどのカメラ系イベントで参考出展されていた1,000万画素機ではないようで、CCDの有効画素数は610万画素(サイズはAPS-C)です。
 なお、同じ600万画素でも、コンパクトデジカメのそれとは受光部のサイズが全然違う(デジタル一眼レフのCCDのサイズは桁外れにデカイ)ので、得られる画像は全く別の次元だと思った方が良いでしょう(よく言われる「多画素=高画質」の図式は当てはまらないケースが多くあるのでご注意!)。

 また、PENTAXのデジタル一眼レフは、かなりの年代物から最新のものまで、豊富なレンズ群を流用できることが特徴のひとつになっていますが、このモデルもK、KA、KAF、KAF2マウントの各種レンズと、アダプタを介することでスクリューマウントレンズ(M42)、645用レンズ、67用レンズを使用可能だということです(メチャクチャ多いな ^^;)。

 ただし、電子制御に対応していないレンズを装着する場合、手動でレンズの焦点距離を入力する必要がある(ソフト上で補正するためなのかな?)ことと、実際に対応する焦点距離は8〜800mmに限定されるという制約があるそうです。
 まあしかし、8mmより短い超絶的な広角レンズや、800mm(ズーム倍率に換算して、約23倍)以上の、文字どおり大砲のような望遠レンズ(もちろん価格も桁外れ)を個人で使用している人がどれだけいるかと考えたら、これは十分、互換性が考慮されていると見てよいでしょう。

 あと、撮影時のISO感度は200〜3200まで対応しているようです。
 しかし、私個人の観点では、感度をISO 100に落とせないのは、夏季の晴天屋外などの撮影では厳しいような気がしますが・・・(他社製デジタル一眼レフでは、エントリー機でもISO 100が標準のモデルがいくつか存在する)。

 そして、この機体は新技術としてリニア(磁力)駆動の手ぶれ補正機構(シェイクリダクション、と呼ばれるらしい)をボディ内に内蔵しています。
 磁気駆動ですから他の部材との間の摩擦がなく、ブレに対する追随性はガイドレールに沿って動く手ぶれ補正(コニカミノルタ型?)よりも優れている、というのがメーカー見解のようです。

 この、ボディ内手ぶれ補正機構は、コニカミノルタがα-7D&α-Sweet Dに搭載し、ソニーのαシリーズに引き継がれる事が予測されているもので、コニカミノルタ系の一眼レフのアドバンテージであった部分です(ゆえに過去には「手ぶれ補正のコニカミノルタ」とも言われていた)。
 しかし、PENTAX機にも搭載された事で、ボディ内手ぶれ補正は今後、「α」のオンリーワンの機能ではなくなってしまいました。

 また、発売予定も7月下旬頃からで、価格も本体のみで7万円台半ばと挑戦的な価格になる見込みだそうで。
 6月発表・夏発売が噂されている「α」初号機とは、まともに対抗馬の関係になる可能性が高いと考えられます。

 この機体は見事、「α」の出鼻を挫く機体となれるのでしょうか?
そして、これに対して、ソニーはどう出てくるのやら・・・(また、カメラメーカー各社も、秋のPhotokinaに向けて、どんな動きを見せるやら・・・)。

 なお、いかな「小型軽量のペンタックス」※1)とはいえ、今回の機体は新技術を色々盛り込んだためか、通常の小型デジタル一眼レフカメラと比較して、さほど「小ささ」が実感できる大きさではなさそうです(もっとも、これ以上小さいと、逆に持ちづらくなるから、いい加減、限界の小ささになったと見ていいかもしれないが)。
 また、本体重量もバッテリー&レンズ未装着で560gと、E-500の435g(もちろんボディのみの重量)から「世界最軽量デジタル一眼レフ」の称号を奪還する事はできなかったようです。

 一応、ファインダーをペンタプリズムでなく、ペンタミラー採用とするなど、軽量化の努力は見られるようですが、やはり、リニア駆動のコイルが重いのかな?と、素人判断してしまったり・・・。
 (まあしかし、ペンタックスの事だ。手ぶれ補正を搭載しない機種で、まだまだ軽い奴を作ってきそうな気がする ^^;)

 それにしても・・・。
 今回はこの発表を霞ませる「爆弾情報」は出てきていないみたいですね(^^;)。(※2


※1
 少し前まで、各社が開発するデジタル一眼レフにはそれぞれ特徴的な「一芸」があった事から、その特徴を表す言葉を頭につけて呼ぶ事もありましたた。
 その他のメーカーもあわせて並べると、「ノイズレスのキヤノン」、「マウント互換のニコン」、「ゴミとりのオリンパス」、「小型軽量のペンタックス」、「手ぶれ補正のコニカミノルタ」、「発色とラチチュードの富士フイルム」、「偽色レスのシグマ」という感じでした。
 このうち、現在は「マウント互換」のお株をペンタックス、「小型軽量」をオリンパスがそれぞれ奪取し、「手ぶれ補正」でソニーとペンタックス、「ゴミとり」と新要素の「ライブビュー」でオリンパスと松下電器(Panasonic)が並び立つ形になっています(その他は各社、なかなか追随できないでいる。特にキヤノンのノイズレスは強烈)。

※2
 ペンタックスが新製品を発表する時は、なぜか他のメーカーから超意欲的な新製品の情報が出てきて、瞬時に話題をさらわれる、というジンクスがあったので・・・。
 詳しくは、ふるかわさんのブログサイト、「ウサギとカメラ」内の記事、「間が悪すぎる」をご参照ください。

23:18:00 | yo-ta | | TrackBacks