Complete text -- "軍用イルカに関する私的考察(あれ、役に立たないと思う・・・)"

28 September

軍用イルカに関する私的考察(あれ、役に立たないと思う・・・)

 本日、仕事で借りたレンタカー(Cube)で京葉道を走っている時、前の車が跳ね上げた小石で、フロントガラスに破孔ができる瞬間を見ました。

 破孔が空いたのは、フロントガラスの真ん中あたりで、バキッ!という衝撃音とともに小豆程度の穴(貫通はせず、表面が抉れた感じ)が開き、そこから放射状に破片が飛び散ったような、白い筋(粉の付着)が2センチほど伸びました。

 この瞬間を見て飛ばした、「微小デブリが当たったか?」という私のネタに、誰もついて来なかったという悲しい裏話はさておき。
 Cubeの、ほぼ直角に立っているウインドウは、デザイン面ではいいのかもしれませんが、避弾径始(※)の面で見て、飛来物の衝突安全性は高くない思わされましたが、どうなんでしょう?
 (もっと大きい石が、運転席や助手席の正面を直撃していたら・・・)

 では本題です。
 ハリケーンの被害とともに報道された、軍用イルカ(毒矢を装備しているとか・・・)の脱走のニュースが一部で話題になっているようです。
 この件に関して、私が思うところを書きますと、こうなります。


 そんなもん、デマに決まってますがな・・・。
 ハリケーン騒動の隙をついて、沖合いの舟艇からダイバーを使って「よくないブツ」を持ち込もうとする連中や「勝手に入って来ちゃう人たち」を牽制するための、偽情報とみて間違いないでしょう。

 船舶に関しては、コーストガードが結構早期に沿岸哨戒をかけるのでしょうけど、海中〜陸上に至るラインについては、地上の警察機能が半分麻痺している状態なだけに、どうしても手薄になるので、こういう偽情報を流して「沿岸に近付くんじゃねーぞ!」と牽制するため。
 あるいは、これを理由に、あやしげなダイバーがいたら、「救助」と称して(軍事機密に触れる情報を知った可能性があるとか何とか、理由をつけて)「拘束」する準備をしているだけでしょう。

 大体、矢を装備しているイルカと言っても、あのヒレ(手)でロックを外せるのかよ、という当然の疑問がありますが、まあ、そこはアメリカ軍だから、技術力でクリアしているものと仮定しましょう(超音波駆動とかね:笑)。

 しかし、水中では水圧が働くため、自己推進のためのギミックや誘導機構がついていないと、飛び道具は使い物になりません(ヒトが手持ちで使うロッド(モリ)型の水中銃は、良くて有効射程5〜6メートル程度では?)。
 単なるロッド状の矢だったら、矢じりの形状によっては射出した瞬間に数ミリ〜数センチ単位で進行方向がブレますし、射出機構が余程強力でないと、水圧に邪魔され、ほとんど飛距離が稼げません(つまり、射撃の名手でも、相当近寄らないとマトに当てられない)。
 もし、十分な飛距離が稼げるような、強力な射出機構の矢を装備していても、矢を射出した瞬間、反作用の力に生物の体が耐えられず、イルカの体は潰れて後方にすっ飛び、矢はあさっての方向にヘロヘロと飛んですぐ沈むという、間抜けな場面を見ることができるでしょう。

 ちなみに、潜水艦映画で一番苦労するのは魚雷発射シーンなのだそうです。
 なぜかというと、魚雷のミニチュアが、打ち出された瞬間にあさっての方向にすっ飛んで、使えるカットがなかなか撮れないためだとか(これ、メイキング映像で見たことがあります。「クリムゾンタイド」だったか、「レッドオクトーバーを追え!」だったか・・・)。

 ちなみに、軍隊で使っている無誘導魚雷(水中を直進する)は、フィン(翼)が特殊な方向を向いていて、弾体そのものをスピンさせるために真っ直ぐ飛ばすことができますが、推進剤がなくなったらスピンする力もなくなり、直進安定性が失われて急激にカーブします(その時の水圧変化で信管が作動して自爆するらしい)。
 ちなみに、十分な距離を飛ばせるくらい強力なスピン射出装置を装着したイルカが矢を放つ場合、反作用の力に耐えられないイルカがスピンしながら潰れて後方にすっ飛び、矢はあさっての方向にヘロヘロと飛んですぐ沈むという、間抜けな風景を見ることができます。
 魚雷が前に飛ぶのは、潜水艦本体と魚雷の間に圧倒的な質量の差があるのと同時に、射出の衝撃を潜水艦が自身の機関によって能動的に打ち消しているからです。

 まあつまり、水中で、何の方向制御機構もないただの矢なんて、「軍事用」には使い物にならないと思われますね・・・。
 軍用イルカの研究が進められているのは確かなようですけど、今回発表された装備は、いかにも胡散臭いもので、役に立ちそうにありません。

 よって、これはデマ情報と考えるのが自然でしょう。


 という感じの考察を考えましたが、いかがでしょう?
 妄想度がかなり高いので、間違っていたら修正して下さい(^^;)。
 (特に、ミリタリー部分は伝聞の記憶をもとに書いてますので、かなりあやふや・・・)

(※)避弾径始
 戦車などの車体や砲塔の装甲に砲弾などが被弾した時、運動エネルギーをそらして貫通力を低下させたり、斜め方向に弾き飛ばすための装甲板の傾斜の事。
 直角面ではまともに運動エネルギーを受け止めるため、貫通されることが多くなるので、それを防ぐために設けられる。

 ちなみに、レンタカーのCubeは、他の車種に比べて、フロントガラスに異常(穴)のある車体に当たる確率が、かなり高いです。
 (レンタカー屋さんにも、「ガラスが割れそうで危ない!」というクレームが良くあるそうで・・・)
22:13:00 | yo-ta | | TrackBacks
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