Archive for May 2005

26 May

すっかり普通種になってやがります。『ラミーカミキリ』

ラミーカミキリ。中国経由で渡来した移入種。
 体長1cm前後の、とても小さなカミキリムシです。
 日本にもともといた種ではなく、江戸時代末期〜明治初期にかけて、繊維をとるために移入された「ラミー」という植物にくっついて、日本に入ってきたようです。

 以後は長崎県付近と江戸(東京)周辺に偏在していた時期が長かったようですが、カラムシという、日本の山林にはありふれた植物が彼らの食性の一助となったため、近年はグングン生息域を拡大している種です。
 関東地方では、あちこちで普通に見られるようになり、今ではすっかり普通種の仲間入りしてしまいました。

 特徴的な色合いがよく目立つ、きれいな昆虫ですが、私はこの種の背中の模様を見ると、なぜかいつもナイトメア・ビフォア・クリスマスというパペットアニメーションに出てくるこのキャラクターを思い出してしまいます。
 (似てますよね?ね?)

 なお、そういう他人のそら似系での一発ネタでは、裁判沙汰でもめているマイケル・ジャクソンの「最近の顔」は、三面怪人ダダにしか見えないというのもありますが、こちらはファンの皆様にぶん殴られるかもしれませんから、ここまでにしましょう(^^;)。
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25 May

渡り蝶「アサギマダラ」、今年も関東にとうちゃ〜く!

 「表」のColumnのコーナー、5/22日付に再訂正(^^;)。
 撮ったけど、上がりが気に入らなかったので掲載しなかったチョウに、この種もいました。
 「渡り蝶」として有名な、「アサギマダラ」です。今年も関東(奥多摩)に到着しました。

アサギマダラ。ちょっと手ブレが・・・(^^;)
アサギマダラ
 木陰で吸蜜中を狙ってみたものの、望遠レンズでも厳しい距離な上に薄暗かったので、画像の暗さにプラスして、手ブレ・被写体ブレが結構厳しいです(--;)。
 実物は、薄青い羽をヒラヒラさせながら優雅に舞う、きれいなチョウです。
 奥多摩ではこの時期は山裾でも姿を見ますが、盛夏期には1,000mを越える場所にたくさんいます。

 アサギマダラは、驚くほど長距離の渡りをする昆虫として有名です。
 どれくらいの移動をするのか一例をあげると、箱根、長野あたりで一度捕獲され、マーキング(印つけ)をされた個体が、沖縄で再捕獲されたという記録が残っています。そして、一部の個体は本州発で台湾にまで到達しているようです。
 どうです?驚きました?

 このチョウの大きさはアゲハチョウと同じくらいで、チョウの仲間としては大きいですが所詮は虫ですから、たかが知れたサイズの体です。
 そんな生物が、なぜここまで長距離の渡りを行うのか。
 しかも、夏季の北方での逗留地は、本州の1,000m以上の高地に限定され、なぜ平野でも涼しい東北や北海道まで到達する個体は少ないのか。
 そして、移動中は何処で休眠し、何処でエネルギーを補給しているのか・・・。

 とにかく、このチョウはその生態が謎だらけです。

 ちなみに、今現在、関東(奥多摩〜高尾あたり)にいるアサギマダラは、まだまだ羽がきれいなところを見ると、南伊豆〜東海〜紀伊半島南部あたりで越冬した北方越冬型の個体群が主でしょう。
 沖縄方面で越冬した個体群(?)が到着すると、「みすぼらしい」という表現がピッタリになるほど、ボロボロの羽になった姿が多く見られるようになります(単に、順次到着したあと、こっちで消耗しているだけかもしれませんが ^^;)。

 なお、そんなに長距離の渡りをするのでは、途中、何度も外敵に襲われたり、危険な目にあうのではないか、と思う皆様も多いと思われます。
 ところがこのチョウは、幼虫の食草が「ガガイモ」という、有毒物質をごく微量(ヒトが下痢する程度)に含む植物である結果、体に毒素が沈着し、鳥類などにとっては「不味くて食えたものではない虫」になってしまっています。
 よって、渡りの間にも、外敵に襲われる事は少ないと考えられています。
 (過酷な旅路に力尽きる個体の数は、そこそこになると考えられていますが・・・)
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23 May

樹種訂正!エゴノキでなく、ハクウンボク。

 昨日、「表」のColumnのコーナーで、「奥多摩湖周辺ではエゴノキの花が満開で・・・」という感じの文章を書きました。
 どうやら、それは間違いだったようで、昨日私が見た白い花は、エゴノキではなく、「ハクウンボク」だったようです。

 エゴノキとハクウンボクは、同じエゴノキ科に属する樹木で、花の形はよく似ています。
 しかし、エゴノキは枝の下に花がぶら下がるのに対し、ハクウンボクは枝先に花房が垂れ下がる事が違っており、それをもとに考えると、私が見ていた木は後者のハクウンボクの方でした。

 ちなみに、ハクウンボクの名の由来は、この房状の花が「白雲」に似ているためといわれているそうで、そのためか社寺林の樹木として姿を見ることが多いそうです。
 エゴノキの方は、実に有毒物質(サポニン)を含んでいて、味が「えぐい」事からこの名がついたとか・・・。
 う〜ん、味わいたくない(^^;)。
 (とある情報では、味がえぐいのは実の皮だけで、ヤマガラなんかはうまくこの皮だけ残して食べているとか・・・)

 なお、ハクウンボク、エゴノキともに、花期は非常に短かいそうで、来週には昨日満開の木は、もう花を落とし気味になるそうです。
 ヤマツツジは逃したものの、ハクウンボクにはベストのシーズンに訪れていたようです。
 (って、それを知ってたら、もっと気合入れて花も撮ったのに・・・)

ハクウンボクの蕾。花房はこんな感じです。
開花前のハクウンボクの花房
 なんだか面白い形だったので、思わず撮ってしまいました(^^;)。
 来週は、この木が満開になっている・・・か、散りはじめになっているか、という所でしょう。
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18 May

オナガの飛翔シーン

オナガ。何か赤い実をくわえてます。

 ある日の撮影の帰り道、ヒマラヤシーダーがたくさん植えられた施設のそばで、「ゲーイゲーイゲーイジュジュジュッ」という特徴的な声が聞こえたので、すぐにこの鳥がいるとわかりました。
 早速、カメラを取り出して周囲を見渡せば・・・数羽が電線の上や枝の上に姿を見せており、さらに、姿は見えずとも、「ゲーイゲーイ」の声が数ヶ所から聞こえてきていました。

 そのとき撮ったのが、この、飛翔するオナガの姿です。
 最初は電線にとまっている所を狙っていたのに突然飛んだので、ほとんど反射的にシャッターを切ってしまっただけの偶然の産物で、ピン甘、被写体ぶれになってしまいましたが・・・。

 この鳥は、上の画像でもおわかり頂けるとおり、尾が長いので「オナガ」という、とても「そのまんま」な名前の鳥です。
 東京(というか関東地方)では、この鳥は行く場所に行けば当たり前に見られる鳥ですが、西日本から来た「鳥」な友人にこの鳥の姿を見せると、すごく感動されます。

 それもそのはずで、この鳥は東日本限定で分布している(※)鳥です。
 ちなみに私は、居処を福井→愛媛→東京と転々としていますが、この鳥の姿は、福井では近所の庭木が立派な家や、ヒマラヤシーダーのある施設(小学校や公民館、図書館など)の周辺で普通に見ていました。
 しかし、愛媛では一回も見ておらず(分布域外なので当然 ^^;)、東京に来て、再びこの鳥を目にしたときは、「あれ?こいつってこんなにきれいな鳥だったっけ?」と驚いた事を覚えています。

 真っ黒な頭と、背中から尾羽にかけての水色がきれいな鳥で、意外に大きい(ハトほどもある)上に、普段は群れているため、いきなり目の前にバサバサあらわれると、びっくりさせられます。
 また、見た目にきれいな鳥ですが、この鳥はカラス科で、鳴き声は色々な情報を参照しても、「見かけによらず」とか「カラス科らしく」などという修飾とともに、「美しくない」と書かれていることが多いです。

 実際にオナガの声を聞いてみると、美しいとはとても言えない声ですね(^^;)。
 カラス科らしく、群がって「ゲーイゲーイ」と濁音で鳴いているため、「やかましい」と感じる人のほうがほとんどだと思います。
 しかし、かなり特徴的な声なので、一度聞いたら確実に、忘れられなくなると思います。

 なお、このオナガについての詳しい生態情報はこちらで見て下さい。

(※)
 通常、分布域は福井〜岐阜〜静岡ライン以北から東北地方まで、と言われているようですが、岐阜〜静岡間には長野、愛知を挟むはずですが、なぜカウントされないんだろう・・・。
23:10:00 | yo-ta | | TrackBacks