Archive for 07 November 2005

07 November

入間航空祭の撮影機体から。Part 3

ファントムII</div>
F-4EJ ファントムII
世界中で長年、運用されている歴戦の勇士。
航空自衛隊の中では、最も多用途に使用されている機体と言えるかも。

 初飛行が1958年といいますから、もう50年近く飛んでいる戦闘機になります(さすがに、初期生産頃のロットは退役しているでしょうが)。もともとは空母で運用する艦載機として米海軍向けに開発されました。
 実戦投入されたのはベトナム戦争が最初のようで、評判倒れに終わった米空軍のセンチュリーシリーズと異なり、唯一まともに戦った(戦えた)機体だそうです(この功績から、後にF-110として米空軍にも採用された)。

 この機体が開発された当時、空中戦はミサイルが主役になるものと考えられ、戦闘機はミサイルを運ぶだけの存在と考えられていたため、ファントムIIもミサイル搭載容量の大きさを確保することを目的に設計されていました。
 まあ、それが良い方向に転んで、パワフルで機動性に優れた機体が出来上がったようですが、見た目には戦闘機のイメージには程遠い、お世辞にもスマートとはいえない機体になってしまいました・・・。
 (航空祭会場で、イーグルやF-2と並ぶと、胴体がボコッと上に飛び出しているのが良くわかる・・・)
 加えて、開発当初段階では機銃(機関砲)が装備されていなかったため、格闘戦(接近戦)では近距離から機関砲をバンバン撃ってくるMig相手に苦労させられたようです(というか、格闘戦では撃つ弾がないから、それに持ち込まれる前に逃げるしかなかった。ミサイルは、遠すぎても近すぎても撃てない)。

 しかし、そんな機体が世界中で長く使われている理由は、単純に機体が大きく、パワーもあったので、後に色々と装備や電子機器を追加しやすかったこと(後に機関砲も装備に追加され、Migとも互角に戦った)。
 2人乗りで、複雑な電子機器を積んでも、1人は操縦専念、1人は電子機器操作専念と、分業ができたことが大きかったようです。

 自衛隊ではもともと、対空戦闘能力を持った機体しか保有していませんでしたが、F-1支援戦闘機の段階的退役に伴う対地上攻撃能力不足を補うため、急遽対地攻撃能力を付加した機体に改修したり、F-15Jの配備が進み、だぶついた機体を偵察型(RF-4EJ)に改修したり、とにかくいろいろな形で使われています。
 「使い捨て」が多くて無駄金を浪費する傾向にある自衛隊としては、機体のポテンシャルをいかし、よく使っている好例になると思います。
22:53:00 | yo-ta | | TrackBacks