Complete text -- "PENTAX、ボディ内手ブレ補正搭載のデジタル一眼レフを発表。"

23 May

PENTAX、ボディ内手ブレ補正搭載のデジタル一眼レフを発表。

 先週で連休明け進行はとりあえず終わったのですが、しばらくそれに"かかりきり"だったために放置されていた他の事案が、今になって大変な事になっています。
 しばらくの間、「あっちを片付けるために注力したら、こっちが疎かになる」という、悪循環スパイラルの中に落ちそうです(泣)。(だから人手をもっと・・・)

 では本題です。
 しばらくの間、大型新製品の噂が枯渇していたデジカメ界ですが、本日、PENTAXから新型デジタル一眼レフの発表がありました。

 ペンタックス、ボディ内手ブレ補正搭載一眼レフ「K100D」(デジカメWatch)

 例によってニュース系サイトで情報が発表されても、メーカーページには情報が上がらないという、PENTAXならではの不思議な公告戦略(?)が行われているので、現在ニュース系サイトに上がっている限りの情報で話を進めますと・・・。

 このデジタル一眼レフは、今春のPMAやPIEなどのカメラ系イベントで参考出展されていた1,000万画素機ではないようで、CCDの有効画素数は610万画素(サイズはAPS-C)です。
 なお、同じ600万画素でも、コンパクトデジカメのそれとは受光部のサイズが全然違う(デジタル一眼レフのCCDのサイズは桁外れにデカイ)ので、得られる画像は全く別の次元だと思った方が良いでしょう(よく言われる「多画素=高画質」の図式は当てはまらないケースが多くあるのでご注意!)。

 また、PENTAXのデジタル一眼レフは、かなりの年代物から最新のものまで、豊富なレンズ群を流用できることが特徴のひとつになっていますが、このモデルもK、KA、KAF、KAF2マウントの各種レンズと、アダプタを介することでスクリューマウントレンズ(M42)、645用レンズ、67用レンズを使用可能だということです(メチャクチャ多いな ^^;)。

 ただし、電子制御に対応していないレンズを装着する場合、手動でレンズの焦点距離を入力する必要がある(ソフト上で補正するためなのかな?)ことと、実際に対応する焦点距離は8〜800mmに限定されるという制約があるそうです。
 まあしかし、8mmより短い超絶的な広角レンズや、800mm(ズーム倍率に換算して、約23倍)以上の、文字どおり大砲のような望遠レンズ(もちろん価格も桁外れ)を個人で使用している人がどれだけいるかと考えたら、これは十分、互換性が考慮されていると見てよいでしょう。

 あと、撮影時のISO感度は200〜3200まで対応しているようです。
 しかし、私個人の観点では、感度をISO 100に落とせないのは、夏季の晴天屋外などの撮影では厳しいような気がしますが・・・(他社製デジタル一眼レフでは、エントリー機でもISO 100が標準のモデルがいくつか存在する)。

 そして、この機体は新技術としてリニア(磁力)駆動の手ぶれ補正機構(シェイクリダクション、と呼ばれるらしい)をボディ内に内蔵しています。
 磁気駆動ですから他の部材との間の摩擦がなく、ブレに対する追随性はガイドレールに沿って動く手ぶれ補正(コニカミノルタ型?)よりも優れている、というのがメーカー見解のようです。

 この、ボディ内手ぶれ補正機構は、コニカミノルタがα-7D&α-Sweet Dに搭載し、ソニーのαシリーズに引き継がれる事が予測されているもので、コニカミノルタ系の一眼レフのアドバンテージであった部分です(ゆえに過去には「手ぶれ補正のコニカミノルタ」とも言われていた)。
 しかし、PENTAX機にも搭載された事で、ボディ内手ぶれ補正は今後、「α」のオンリーワンの機能ではなくなってしまいました。

 また、発売予定も7月下旬頃からで、価格も本体のみで7万円台半ばと挑戦的な価格になる見込みだそうで。
 6月発表・夏発売が噂されている「α」初号機とは、まともに対抗馬の関係になる可能性が高いと考えられます。

 この機体は見事、「α」の出鼻を挫く機体となれるのでしょうか?
そして、これに対して、ソニーはどう出てくるのやら・・・(また、カメラメーカー各社も、秋のPhotokinaに向けて、どんな動きを見せるやら・・・)。

 なお、いかな「小型軽量のペンタックス」※1)とはいえ、今回の機体は新技術を色々盛り込んだためか、通常の小型デジタル一眼レフカメラと比較して、さほど「小ささ」が実感できる大きさではなさそうです(もっとも、これ以上小さいと、逆に持ちづらくなるから、いい加減、限界の小ささになったと見ていいかもしれないが)。
 また、本体重量もバッテリー&レンズ未装着で560gと、E-500の435g(もちろんボディのみの重量)から「世界最軽量デジタル一眼レフ」の称号を奪還する事はできなかったようです。

 一応、ファインダーをペンタプリズムでなく、ペンタミラー採用とするなど、軽量化の努力は見られるようですが、やはり、リニア駆動のコイルが重いのかな?と、素人判断してしまったり・・・。
 (まあしかし、ペンタックスの事だ。手ぶれ補正を搭載しない機種で、まだまだ軽い奴を作ってきそうな気がする ^^;)

 それにしても・・・。
 今回はこの発表を霞ませる「爆弾情報」は出てきていないみたいですね(^^;)。(※2


※1
 少し前まで、各社が開発するデジタル一眼レフにはそれぞれ特徴的な「一芸」があった事から、その特徴を表す言葉を頭につけて呼ぶ事もありましたた。
 その他のメーカーもあわせて並べると、「ノイズレスのキヤノン」、「マウント互換のニコン」、「ゴミとりのオリンパス」、「小型軽量のペンタックス」、「手ぶれ補正のコニカミノルタ」、「発色とラチチュードの富士フイルム」、「偽色レスのシグマ」という感じでした。
 このうち、現在は「マウント互換」のお株をペンタックス、「小型軽量」をオリンパスがそれぞれ奪取し、「手ぶれ補正」でソニーとペンタックス、「ゴミとり」と新要素の「ライブビュー」でオリンパスと松下電器(Panasonic)が並び立つ形になっています(その他は各社、なかなか追随できないでいる。特にキヤノンのノイズレスは強烈)。

※2
 ペンタックスが新製品を発表する時は、なぜか他のメーカーから超意欲的な新製品の情報が出てきて、瞬時に話題をさらわれる、というジンクスがあったので・・・。
 詳しくは、ふるかわさんのブログサイト、「ウサギとカメラ」内の記事、「間が悪すぎる」をご参照ください。

23:18:00 | yo-ta | | TrackBacks
Comments

ふるかわ wrote:

私の記事を採り上げて頂きまして、ありがとうございます。せめて今週いっぱいはそっとしておいて欲しいのですが...>特にソニーさん<(_ _)>。オフィシャルサイトが更新されないのは、中の人が「だから人手をもっと・・・」と泣いているのでしょう(^_^;)

やはり600万画素ということで、手振れ補正付きとはいえども、画素数を重視する方々には受けないでしょうね。ソニーのαは1000万画素という噂もありますので、実際にこの画素数で出てきたら、そちらの方が...
あとは値段がどうなるか、ですが、例えαが10万円でも、「ソニー」というブランド力が通用すれば...負けるかな?(^_^;)
αは、価格的にも性能的にも、K1000Dに近いか、K100Dとの中間に落ち着くのではないかと見ています。

「手動でレンズの焦点距離を入力する必要がある」のは、カメラ本体のジャイロで手振れした方向と移動量を検出後、CCDをどれだけ動かしたらいいか、が焦点距離によって変わるからだと思いますけど...コニミノは設定する必要がなかったようで。そんな古いレンズが存在しないのでしょうか?対応する焦点距離が8〜800mmなのは、CCD移動量の最小値と最大値で決まっているのでしょうね。あと、これでゴミ取り「も」できないのかなぁ...(^_^;)

その他、CCDもシャッターユニットも殆ど現行機種と同じと思われます。よって「ISO感度は200〜3200まで」も同じですね。SRを搭載するだけで手一杯だったと思われ...(^_^;)。その他の改良して欲しい点については、秋の1000万画素機(K1000D?)まで持ち越しです。

長々と済みません。
05/24/06 02:22:00

yo-ta wrote:

記事の方、勝手にリンクさせていただいておりました・・・(^^;)。
本日段階でソニー(&その他メーカー)に、大きな動きはありませんね。
αの開発者インタビューは、着々と更新されているようですが・・・。

>手動でレンズの焦点距離を入力する必要がある
の件は、単純に、レンズ情報がボディ側に送られないので、マニュアルで設定する、という事のようですね。
ボディの方は、それをもとに最適化された設定で動作する、という事で。
コニミノの手ぶれ補正は、確かガイドレール内を素子がぐりぐり動く機構だったと思いますから、リニア駆動より制御が簡単だったのかもしれません。
あるいは、イメージサークルに十分な余裕があったのか・・・?

なお、ゴミ取りに関しては、コニミノの開発者インタビューで、「ゴミは静電気でローパスにくっついているから、手ぶれ補正の横揺れではあまり効果がなく、縦揺れで弾く形(オリ型)でないと・・・」といった趣旨の発言を見た事があります。
ただ、ペンタはリニア式で、コイルの磁場を利用するわけですから、その磁場の方向を調整し、ミラーボックス内をブラウン運動中の帯電粒子に(撮像素子面に対して)斥力が働くように設定してあったりしたら、面白いと思いますが(難しいだろうな ^^;)。

どちらにしても、価格的にK100Dはエントリーモデルのようですし、秋に発表の大本命、K1000D(仮称)は、この機体の市場での反応や技術的改良点などもフィードバックされる事は期待できそうですね。
05/24/06 23:11:08

ふるかわ wrote:

リンクはドンドン、ご遠慮なく(^_^;)

>αの開発者インタビューは、着々と更新されているようですが・・・。
言葉はもういい、態度で示せってね(^_-)

>ボディの方は、それをもとに最適化された設定で動作する、という事で。
はい、おそらくそういうことで。

>ゴミは静電気でローパスにくっついているから、手ぶれ補正の横揺れではあまり効果がなく
うむ〜、SSWF恐るべし!!
やはりここは、磁石の威力でババンバンと!!<もぉええっちゅうに(+_+;;)\バキ!!

>この機体の市場での反応や技術的改良点などもフィードバックされる
現行の*istDシリーズユーザーは秋まで待つのが正解だとは思うのですが...
そのフィードバックをするためにも、K100Dが欲しくなっちゃって困ります(^_^;)
05/25/06 03:14:47

yo-ta wrote:

まだ他社からの爆弾情報は出ませんね(^^;)。
今回は順調な船出のようです。

>フィードバックをするためにも、K100Dが欲しくなっちゃって困ります(^_^;)
これは、「E-1後継を待ちたいんだけど、ライブビューのフィードバックのためにE-330が欲しくなる」に似た罠でしょうか・・・?
とりあえず、Photokinaまで、あと4ヶ月・・・。
05/25/06 23:59:54

ふるかわ wrote:

>まだ他社からの爆弾情報は出ませんね(^^;)。
新製品ではありませんが、キヤノンのフィルムカメラ撤退報道は...(;゚Д゚)
http://www.asahi.com/busine...

>似た罠
しかも、「E-300は持っているし、E-330のボディのみが実質6万円を切っている」、だとさらに酷似しますね(^_^;)
05/26/06 00:14:42

yo-ta wrote:

>キヤノンのフィルムカメラ撤退報道は...
確かに爆弾だ・・・(;゚Д゚)

しかし、例によって朝日新聞報道ですから、翌日には「誤解です、撤退しません!」があったりして・・・。
(コニミノがそうでしたし、ニコンの銀塩撤退報道がそうでしたし・・・)
05/26/06 00:31:36
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