Complete text -- "『CONTAX U4R』再び"

15 May

『CONTAX U4R』再び

CONTAX U4R
CONTAX U4R
 2005年中にカメラ事業の終了が決定している京セラ製の、CONTAXブランドによる最終世代のデジカメです。
 「お疲れ様でした」の記念購入・・・と言えば聞こえはいいですが、実際には在庫処分のための値崩れを狙った、いわゆる「ハイエナ購入」だったりします(^^;)。

 購入の理由は、主にハイエナ(爆)ですが、既に市場では絶滅寸前になってしまった、「回転レンズ(スイバル)」スタイルの系譜がまたひとつ、消えてしまう前に確保しておこう、という考えが働いた事も影響しています。

 このスイバルスタイルは、フイルム格納部の構造に依存しないデジカメならではのシステムであり、地面すれすれのローアングルから自分撮りまで、フリーアングルで撮影が行える、優れたシステムだと私は思います。
 私は初デジカメがNikon Coolpix 950という機種で、これで回転レンズの楽しさを覚えてしまったため、次のメインデジカメも、同じ機構を備えたCoolpix 995を選んだくらいです。
 しかし、この回転レンズシステムは一般にはウケが悪いようで、'99〜'02年くらいまでは数社が採用してしていたのに、その後急速に廃れ、京セラ/CONTAXの撤退により、残るはソニーとペンタックスの製品に見られるだけになってしまいました(しかし、ソニーもフェードアウトな雰囲気がある上に、ペンタックスは一発芸で終わりそう・・・)。

普通に撮った画像
早速、撮ってみた画像 通常撮影
 この大きさまで縮小するとさすがに目立ちませんが、実際には等倍ではノイズバリバリです(--;)。
 さすがのCONTAXブランドでも、マニアに極小画素と叩かれたCCD(1/2.7型400万画素)は持て余したのでしょうか?

等倍で切り出し・・・。
部分を等倍で切り出してみた画像
 ブログの見た目の大きさに合わせるのが大変でした(^^;)。
 今まで色々なデジカメを使ってきましたが、全体的にノイジーな上に、シャープネス(輪郭強調)が強めにかかる感じがあるためか、等倍で見るのはちょっと悲しくなります・・・。
 この絵で見てもおわかりいただける通り、等倍で見ると、全体にザラザラしてハイライト部分には色滲みも出ています。
 まあ、それでもL版サイズ(写真サイズ)に縮小プリントする分には、ノイズもそれほど目立たないと思います(ただし、画面上でL版相当サイズで見ても、やたら輪郭強調がきつくてガキガキに見えるんだよなあ・・・)。

まくろっ!
マクロモードで撮影。
 マクロモードでの最短撮影距離はレンズ先端から約20cmです。
 しかし、ズーム位置はワイド端に固定されてしまう事もあって、広角接写限定という感じです。部分拡大を目的とした撮影では、普通のコンパクトデジカメに負けます。
 それにしても・・・ハイライト部分があまりにもあっさり、真っ白に飛ぶ上に、塗りつぶしたみたいな色になるなあ・・・。

 ま、とりあえず、コンパクトで軽いカメラですから、日常持ち歩いて、気のついた場所でポンと撮影するような使い方をするのがベターな機体かと思います。

虹
例えばこんな感じはどうでしょう?
 今日の夕方、見られた虹。
 今日は東京には午後に突然、大粒の雨が降りましたが、その後、急速に晴れたために、東の空にはこんな虹が見られました。
 こんな風に、ちょっとした事のメモスナップには最適かもしれません。

 ちなみに、連休後半の失踪中、この機体を持ち歩き、日によっては数時間歩きっぱなし(こんな無茶に同行してくれた友人達、本当にありがとう)なんてこともあリましたが、この機体を持っていることに関しては、特に負担を感じませんでした(付属の本皮ケースに入れて、ベルトに下げる持ち方で)。

 しかし、使っていると、いろいろ気付いたりツッコミたくなったりしたこともありまして・・・今回は、長い前置きになりましたが(^^;)、この機体を使っていて気付いた事を、[more...]以降に色々書きたいと思います。
 では、長い前置きを経て、これまた長い本題です(^^;)。
 この機体について、現段階までにこれは・・・と気付いたり、ツッコんだリした点とその概要は、以下のとおりです。

1. 起動はなかなか早い
 ひと昔前のコンパクトデジカメでは、起動〜撮影可能になるまで数秒ほど待たされる場合がありますが、この機体は早いです(カタログスペックで0.9秒)。
 爆速仕様で有名な、三洋電機のDSC-MZ3の起動時間(カタログスペックで0.6秒)と体感で差がありません(ていうか、0.3秒差を体感できる人間が、ゴルゴ13以外にいるのか?)。
 ただし、最新のコンパクトデジカメのうち、高品質機には、同等の爆速機体が結構あるのも事実だったりして・・・。

2. 液晶画面が大きくて見やすい・・・けど
 最近のデジカメは、本体同様に液晶画面まで小型化してしまい、ピントがちゃんと合ってるかどうかわからない機体まであります。また、晴天時の屋外では、液晶画面の内部反射等のため、見づらい場合もよくあります。
 しかし、この機体は2.0型の液晶を搭載しているので、画面はそれなりに見やすいです・・・が、これでピントが合っているかどうかは、慣れないと判断しにくいでしょう。特に、日陰などの暗くなる場所では、画像に増感ノイズ(?)がザリザリ浮きまくるので、合焦確認は結構厳しいです。
 また、液晶画面内の内部反射に関しては、さすがに直射日光を受けるとちょっと厳しかったように思いますが、必要十分くらいでしょうか?
 一方で、コンパクトな機体にデカイ画面がついているので、操作系のボタンが小さい上に、配置がかなり窮屈です(^^;)。

3. 撮影時には、液晶画面は一瞬、ブラックアウトしてくれた方が・・・
 普通のコンパクトデジカメだと、シャッターを押した瞬間、液晶画面がブラックアウトし、その後、撮影した画像の状態が1〜2秒ほど表示される(Recビュー機能という)が普通です。
 しかし、この機体はブラックアウトせずに、そのままRecビューに移行するので、コンパクトデジカメの機構上、どうしても発生するレリーズタイムラグ(シャッターを押し込んでから、画像が記録されるまでのタイムラグ)が異様に気になります。具体的には、この瞬間!と思ってシャッターを切ったのに、動画でひとコマ分、先送りした画面が撮られたように見える感じです。
 ブラックアウトがあると、少しずれても「処理時間があったから仕方ない」程度に思えるのですが、コマ送りの感じで繋がると、「ちゃんと撮れてない!」と思う人も多いと思います。とりあえず、タイムラグは短いクラス(カタログスペックで0.07秒)の機体なので、損をしている気がします。

4. レンズユニットが真下を向かない・・・
 回転レンズ部分について、フラッシュの発光部が横に張り出しているため、それが引っ掛かって、真下にレンズを向けられません。
 「真下方向なんて、使う事があるのか?」とお思いの方も多いと思いますが、イベントなどでは意外に重宝します。
 例えば、人が群がっているステージを撮影したい時などでは、レンズを真下位置にセットして、自分の真上にカメラを構えることで、人の頭越しの絵を撮れたりします(私は、航空祭でよくこの手を使う)。

5. 十字レバーの操作がしづらいっ!
 一番、気になった事です。
 多少はレバーの大きさに余裕のある兄弟機のFinecam SL400Rでも、(店頭で触った感じでは)かなりミスタッチを誘発されるのに、この機体の、デカイ画面のために小さくなった十字レバーの操作性はかなり悪いです。
 それでも、上下左右方向への入力は過不足なく実施可能です。しかし、問題なのは、一部メニュー項目では「決定」の操作で、このレバーを垂直に押し込むという操作が必要なことです(レバーそのものが、ボタンになっている)。
 しかし、こんな小さなレバーですから、まっすぐに押せといわれても難しいです。私は、ちょっと力をかける方向が逸れれたため、任意の方向にキー入力がされたと機械側が判断してしまい、全然違う設定になってしまう事が何度かありました(をいを〜い)。

6. メモリカードは、一回抜いたら再挿入しにくい!
 この機体の記録メディアは、SDメモリカードです。基本的に、クレードル接続で本体とリンクさせる設計であるため、メモリーカードの抜き差しに関してはそれほど重要視されていないのか、このスロットは問題ありです。
 まず、抜く方はそんなに苦労もなく、普通にSDカードの尻を軽く押してやれば、外にイジェクトされてきます。
 しかし、再挿入する時は、「これでもかっ!」と言うほどスロットに強く押し込まないと、再ロックされません。下手すると、カードをバキリとやってしまいそうで、非常に恐いです(これは個体差?それとも仕様?)。
 まあしかし、このカメラでメディアの抜き差しを行うのは、私のようなカードリーダユーザーだけかもしれませんけどね・・・(でも、普通、デジカメにメディアを刺しっぱなしって事は、あまりないと思うんですが?容量がいっぱいになったら、現地で交換する事もありますし)。

7. 外部充電もさせてくれ!
 これもこれで変な仕様だなあ、と思うのですが、バッテリーの充電は、本体にバッテリーを装着したまま、クレードル経由でないとできない(内充電)仕様になっています。ということは、旅先での充電を考える場合は、本体+クレードルも持参しなければならない事になり、荷物がやたらかさばる事になります。
 私は、旅の荷物を増やしたくないんですけど?(普通、デイバック一個。荷物が多くてもボストンバック一個しか持ち歩かないし、不用物はどんどん、宅急便で送り返したりする)
 何で別売りでもいいので、外部充電器を用意してくれなかったの?

 さて、以上、色々な気付いた点や「???」な点を書いてきました。
 しかし、このカメラでは、さらに『???』な部分があります。

 それは・・・「三脚穴がない!」

 ・・・ねーねー、京セラさーん、「CONTAX=高級ブランド」+「シーンモードに夜景撮影がある機体」って条件で考えて、このカメラは三脚が使えないってのは微妙すぎない?
 (まさか、夜景を撮る時は、気合いで数秒硬直しろ!とか・・・?)

 まあしかし、今まで使ってきて、そこそこな画質に上がった条件は、「ド晴天の午前中屋外」という、(光線状態が最も有利と言われる)とっても限定された条件のみでした・・・。
 ぐはあ・・・暴れ馬だなあ・・・。
18:41:07 | yo-ta | | TrackBacks
Comments

ふるかわ wrote:

遅ればせながら、ハイエナ成功おめでとうございます!!(^_^;)

さて、私は...自分にI4Rは2万5千円まで、U4Rは2万8千円まで、な〜んて厳しい(?)制限を課していたら...件の価格.comダウンもあって、最新動向がよくわかりませんが...買い逃した模様(>_<)。ちょっと厳しすぎましたかねぇ...(--;)

ちなみに、YO-TAさんは3万円台後半でお買い求めですか?実際はほとんどがポイントでしょうけど(^_^;)
05/22/05 03:32:35
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