Archive for 07 November 2005

07 November

渡り蝶、アサギマダラが、山形〜奄美大島間を飛んだ!

 秋〜年末頃の風物詩(?)である首都高速の集中工事が始まったようで、ウチの会社の正面にある首都高の高架橋も、工事騒音がすごく賑やかになっています。

 ていうか、私の部署のあるフロアって、高架のデッキとほぼ同じ高さなので、作業が始まると窓ガラスを通して「ドガガガガッ」という音が響いてきます。
 「安全のため必要」な工事なのはわかりますから、さっさと終わらせて、別の区間に行っちゃってください。

 そういえば、今日の関東地方。
 日中の最高気温が24度って、季節は一体いつですか?

 では本題です。
 このブログでもたまに話題に出している、渡り蝶、アサギマダラが、なかなかすごい記録を作ってくれたようです。

 チョウ「アサギマダラ」が山形〜奄美大島間飛ぶ(Yahoo!ニュースから)

 これまでにもこのチョウは、箱根〜八重山諸島など、とんでもない距離の移動を見せてくれていましたが、今回は山形〜奄美大島間での移動が確認されたそうです。

 ちなみに、アサギマダラはアゲハチョウくらいの大きさをしており、日本に生息する昆虫の中では大型の部類になります。
 しかし、大きいとはいえ、昆虫。
 羽を除いた体の大きさは、オンブバッタのメスと同じか、ちょっと大きい位でしかありません。

 今回確認された個体は、そんな小さな体で、距離にして1,700kmを約2ヶ月かけて飛んでいったわけです。
 いやあ、やはり凄いですね、このチョウの渡りのスケールは。

 なお、アサギマダラの生態については、「幼虫がガガイモの仲間の葉を食べる。長距離の渡りをする」という基礎情報以外の事については、はっきりわからない事が多くあり、秋の渡りのルートにしても、北日本から沖縄まで行ってしまう連中もいれば、関東発で伊豆あたりで渡りをやめてしまう連中もいるそうです。
 (逆に、春の北上ルートも謎だらけ。しかも、それぞれ違う世代が北上・南下の渡りをするのだが、いつそんな習性を学んでいるかも不明)

 現在も地道にマーキング調査によって、渡りルートや中継地、産地ごとに渡って行く先の相違があるかどうか、などのデータ収集が続けられていますが、なかなかその全容が解明できない、謎の多い虫です。

 あ、ちなみに、自分もマーキング調査に参加してみたい、という皆様。
 チョウはとてもデリケートな昆虫です。
 我流で乱暴に扱うと、チョウを傷つけたり、極端に弱らせたりして、渡りをはじめる前に死なせてしまう事にもなりかねません。
 できれば、最初に専門家の指導を受けてから行うようにしてください。

22:54:00 | yo-ta | | TrackBacks

入間航空祭の撮影機体から。Part 3

ファントムII</div>
F-4EJ ファントムII
世界中で長年、運用されている歴戦の勇士。
航空自衛隊の中では、最も多用途に使用されている機体と言えるかも。

 初飛行が1958年といいますから、もう50年近く飛んでいる戦闘機になります(さすがに、初期生産頃のロットは退役しているでしょうが)。もともとは空母で運用する艦載機として米海軍向けに開発されました。
 実戦投入されたのはベトナム戦争が最初のようで、評判倒れに終わった米空軍のセンチュリーシリーズと異なり、唯一まともに戦った(戦えた)機体だそうです(この功績から、後にF-110として米空軍にも採用された)。

 この機体が開発された当時、空中戦はミサイルが主役になるものと考えられ、戦闘機はミサイルを運ぶだけの存在と考えられていたため、ファントムIIもミサイル搭載容量の大きさを確保することを目的に設計されていました。
 まあ、それが良い方向に転んで、パワフルで機動性に優れた機体が出来上がったようですが、見た目には戦闘機のイメージには程遠い、お世辞にもスマートとはいえない機体になってしまいました・・・。
 (航空祭会場で、イーグルやF-2と並ぶと、胴体がボコッと上に飛び出しているのが良くわかる・・・)
 加えて、開発当初段階では機銃(機関砲)が装備されていなかったため、格闘戦(接近戦)では近距離から機関砲をバンバン撃ってくるMig相手に苦労させられたようです(というか、格闘戦では撃つ弾がないから、それに持ち込まれる前に逃げるしかなかった。ミサイルは、遠すぎても近すぎても撃てない)。

 しかし、そんな機体が世界中で長く使われている理由は、単純に機体が大きく、パワーもあったので、後に色々と装備や電子機器を追加しやすかったこと(後に機関砲も装備に追加され、Migとも互角に戦った)。
 2人乗りで、複雑な電子機器を積んでも、1人は操縦専念、1人は電子機器操作専念と、分業ができたことが大きかったようです。

 自衛隊ではもともと、対空戦闘能力を持った機体しか保有していませんでしたが、F-1支援戦闘機の段階的退役に伴う対地上攻撃能力不足を補うため、急遽対地攻撃能力を付加した機体に改修したり、F-15Jの配備が進み、だぶついた機体を偵察型(RF-4EJ)に改修したり、とにかくいろいろな形で使われています。
 「使い捨て」が多くて無駄金を浪費する傾向にある自衛隊としては、機体のポテンシャルをいかし、よく使っている好例になると思います。
22:53:00 | yo-ta | | TrackBacks