Complete text -- "「蒼天航路」、ついに完結・・・。"

10 November

「蒼天航路」、ついに完結・・・。

 今日は、この下のネタで書くとおりの状況なので、かなりフワフワした気分になっています。

 とまあ、それはさておき、本題です。
 今日は、「三国志」好きな皆様には、大きなニュースがありましたね。
 週刊モーニング誌に連載されていた、「三国志(三国志演義)」を題材にした漫画、「蒼天航路」が本日発売(@関東)の今週号で、ついに完結しました。

 11年という、とても長い連載。
 この作品を描いてきた「王欣太、李学仁」両先生、お疲れ様でした。

 この作品は、多くの三国志モノの物語の例によらず、普通は悪役として描かれる「曹操」が主人公の物語です。
 史実と付き合わせると、誰ソレが曹操軍に合流するのが早すぎるとか、誰ソレがまだ表舞台に出てこないなんておかしいとか、色々ツッコミどころはあります。
 しかし、そんな編年執着派(私含む ^^;)のチマチマしたツッコミをぶっ飛ばすほどの力強い作風が、とても魅力的でした。

 何より、普通は清廉潔白な君主として描かれる劉備が、一筋通ったものはありそう・・・なんだけど、つかみ所がなくて、どこかが抜けた三枚目風に描かれているのは、私的にはツボでした。
 私の目には、吉川英治の名著をはじめとする三国志モノの物語に出てくる劉備は、潔癖症で堅苦しくて偽善的で、面白味のない人間にしか見えなかったので・・・(おかげで、イマイチ劉備という人間を好きになれなかった)。
 この「蒼天航路」の劉備は、曹操の敵役ですが、妙に憎めない、人間的な面白さに溢れる人物だったのが、本当に良かったですね。

 反面、曹操があまりに完璧超人過ぎたり、赤壁前後の内面描写がクド過ぎて、ついて行くのが大変だった時期もあったことが、ちとばかり玉に傷ではありましたが・・・(^^;)。

 物語的には、劉備の漢中侵攻から関羽の北進に話がさしかかった所で、曹操の最後が近いことはわかっていましたが・・・もうちょっと、先まで読みたかった、という気がしないでもないですね(曹丕の治世の最初くらいまでは・・・)。
 未読の皆様のため、最終回の内容には深く触れませんが・・・やはり、最後の1コマまで「蒼天…」の曹操らしい曹操でした。

 とりあえず、この作品が評価されるようになってから、日本では「曹操=悪役」という史観が主流だったのが、特に若い世代ではひっくり返り、「歴史的に見たら、曹操は大人物だ」という評価を下す人が多くなったのは、私的にはすごいなあ、と思いましたね。
 ずっと以前から、私はあの時代の中心は「魏」であり、その基礎を作った曹操が悪人という史観を持つのは、「平家物語」や「義経記」を読んで、「源義経は最高の武将!」と言っているのと同じレベルだ、と思っていましたから(※)。

 しかし、そんな話をしても、誰にも理解されませんでしたからねェ(^^;)。
 例え話が不味かったのかなぁ・・・(どっちも判官贔屓の典型だから・・・)。

(※)
 これもあまり理解していただけませんが、義経は逃げる平氏の追撃戦を指揮しただけで、大したことはしていません(勝てる戦に勝っただけ)。
 実際には平氏一族と真正面から戦い、京都から追い出した木曽義仲が、最も功績があったと思います。
 まあ、義仲はその後、治安回復に失敗した上に、後白河法皇と対立して墓穴を掘りましたけどね(^^;)。
 (んで、そこをうまく頼朝に突かれ、歴史から姿を消してしまった・・・)
23:15:00 | yo-ta | | TrackBacks
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