Complete text -- "ひさびさ、お勧めな漫画「とりぱん」"

30 March

ひさびさ、お勧めな漫画「とりぱん」

 アラシサル カゼイマダツヨシ

 という電文がピッタリな状況で、年度末の多忙期最後の納品期日を終えました・・・。
 今年はわずかに残作業を出してしまいましたが、まあ、それでも担当案件は全件、期日までにほぼ完成版の成果を納品できたのでよしとしましょう。

 いやあ、しかし3月に入ってからは、本当に嵐の毎日で、日が変わる前に自宅最寄駅に到着できたら御の字。
 日が変わってから会社を出て、終電に向かってダッシュ!なんて当たり前。

 土・日の夜に寝袋に包まってマグロ化したこともあれば、午前、午後の訪問先に横浜、千葉の都心部横断ダブルヘッダーを食らい、総武快速線の中で弁当を掻っ込んだのが昼飯という日があったかと思えば、一日三食とも電車の中でパンかおにぎり(しかも、新幹線とか長距離特急とかでなく、山手線などの普通の路線)という、悲惨な日もあったり。

 そして、この期間の、毎日の平均的な睡眠時間は約4時間(我ながら、よく生きてたな ^^;)。
 そのうち、電車の移動時間が貴重な睡眠時間になってきたため、長距離移動(出張)を伴うクライアント訪問への同行命令を切実に願ったりしました(※)

 とまあ、そんな殺伐とした時期の不幸自慢はそこまでにして、本題です。
 完全ネイチャー志向系な皆様の間では賛否両論気味な話も聞かれるものの、総じて、一個人のエコ体験記としての面白さが高く評価されている漫画が、ついに単行本化されました。


とりぱん
 とりぱん 第1巻(とりのなん子 講談社 モーニングKC)

 ※表紙の、やたら目つきの悪い(笑)アオゲラ(通称、ポンちゃん)が目印です。

 お話としては、自宅の庭先にある鳥の餌台に来る野鳥&作者とりの氏(ヒト♀)の日常(?)を、観察日記風に描いたものです(日記ブログを4コマ漫画にした雰囲気)。
 基本的に、4ページでひと綴りになる連話4コマ漫画が続く構成なので、どこからでも気軽に読み始められます。

 しかし、連載の雰囲気をご存知ない方は、各鳥類種のニックネームの由来やキャラなどがわかり辛いかもしれません。
 最初の展開が良くわからない、という方は、巻末収録の『MANGA OPEN』 の大賞受賞作からご覧頂いた後、最初に戻った方が話の流れがわかりやすくなるかと思います(アオゲラ ポンちゃんの仁王立ち、ツグミのつぐみんの「徒歩」ネタは、受賞作を先に読まないと理解できない所が多いでしょう。何で巻末に収録したんだか・・・巻頭だったら自然に読めたのに)。

 それにしても、この漫画を読んでいると、野外活動が多い私の目には、「あぁ〜、この鳥は確かにそうだ!」みたいな気分になる事がとても多く、作者はなかなか鋭い観察眼をお持ちだな〜っと納得させられます。
 ヒヨドリは餌を食べるより「空中戦」をやってる時間のほうが長いとか、ツグミはとにかく地面を歩くとか、オナガ(東日本に生息するカラス科の鳥。西日本には分布しない)の「餌場密集!」とか、ウグイスは「至近鳴き(しかも超大音声)」でもなかなか姿が見つからないとか・・・。
 こういう状況が良くわかるだけに、気がつくと顔がニヤニヤしていることもあり、電車内で読んでいるとアブナイ人に思われてたかも・・・(花粉症マスクしてて良かった・・・)。

 ちなみに、去年、一緒にオオタカを見に行った自然環境調査員の皆様も、かなりの数がこの漫画を読んで笑い転げているようです。
 もともと、鳥好きが昂じて調査員になっているような人達ですから、かなりツボにはまっているようで・・・。
 ちなみに、ツグミは確かに地面に降りることが多いですが、渡りの時には「物凄い数の群で、勢い良く飛ぶ」んだとか(漫画のイメージでは、トロい系キャラになっていますが・・・)。

 なお、この本を読むと、無性に「庭に餌台置きたい病」が湧き上がってきますが、のべつまくなし野鳥に餌を与えるのは、完全ネイチャーな視点で見れば、鳥の生態に悪影響を及ぼす事もあるので、長期間(最低で数年スパン。できれば家族の2〜3世代で)管理&維持ができないなら止めておくべき、と、必死で言い聞かせています。
 (この辺が、完全ネイチャー系志向の皆様からは、賛否両論が出る所だったりする。とりの氏宅のように、母娘で楽しむくらいなら大丈夫なのだそうだが・・・)

 ・・・まあしかし、東京の、特にウチの近所の場合、餌台を置いても寄って来るのは「カラス、ドバト」という「迷惑鳥類のツートップ」くらいだと思いますが・・・(アパート、追い出されるな ^^;)。
 そう考えると、とりの氏宅の、庭先にアオゲラが来るとか、窓からコノハズクの声が聞こえるとか、とっても羨ましい環境ですねぇ・・・私から見れば。

 というわけで、特に「野鳥」が趣味なエコな皆様や、動物好き、田舎暮らし好きな皆様には超お勧めな漫画です。

 それにしても・・・作者とりの氏のお母さまの、見事な「主婦感覚」には脱帽(笑)。
 あそこまで「絶妙なバランスのアバウト感」で、家族の食卓を守っておられるとは・・・(主婦、恐るべし・・・)。


(※)
 こういうとき、出張組は日帰りでも新幹線で片道2時間、合計4時間は寝ていられるので、本気で羨ましかったですね。
 遠方で朝イチからの訪問になれば、前日夕方に現地入りで、たっぷり10時間も睡眠時間を取れたりとか・・・。

 反面、最悪なのが、都内近郊の1時間移動で乗り換え3回とかいう場合です(私は今年、近場のクライアントの案件しか抱えていなかったため、このパターンが多かった・・・)。
 この場合は電車の座席に座って、うとうとしはじめた頃に乗換駅到着、というパターンの繰り返しで、睡魔が残りまくった状態で訪問先に到着(うぐぅ・・・)。
 訪問先に到着した時は、フリスクまとめ食いや缶コーヒー(ブラック)2本を一気飲み(もちろん、どちらもあとで腹に響く)しても眠くなる、という最悪の状況で、クライアントとの打ち合わせ中は、会議机の下でふくらはぎをペン先でブスブス突き刺して眠気をこらえていました(最終兵器の「眠眠打破」すらも効かなかった・・・)。
23:07:00 | yo-ta | | TrackBacks
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