Complete text -- "今日は、指導員(?)役をやりました。"

01 December

今日は、指導員(?)役をやりました。

 今日は、千葉県内の小学校の、いわゆる環境教育の一環として行われている自然観察会に、オブザーバーとして参加させていただきました。

 今回、対象となっていたのは、小学校5年生の2クラスです。
 さすがに、無分別に走り回って大変な年代ではありませんが、そろそろ、色々な面での好き嫌いがはっきりしてくる年代だけに、スタッフ一同、さてどうなることか・・・と半ば危ぶんでいました。
 例えば、「こんなの、全然面白くねーよ」とか言って不貞腐れてしまう子供が出たりしたら、どうしよう、とか(^^;)。

 結果的には、外部からお招きしたプロの講師の方が、うまく子供たち(&私達)を誘導してくれたため、面白い一日になりました。

 最初にスライドを用いた、昆虫の擬態や動物の足跡等のクイズで心を掴んでしまったら、あとはもう、完全に講師の方の世界で、スライドが新しくなるたびに、「あー!○○だ!」という声が上がったり、笑いが起こったり。
 その後、班別に分かれて、屋外の自然観察にでましたが、すでに「自然って面白い」という先入観を植え付けられている子供たちは、草の茎一本をみんなでしげしげ眺めたり、クモ(ジョロウグモ♀)でも平気で捕まえて観察したりしています(私的にはヲイヲイでしたが。見せに来るし ^^;)。

 その後は、誰かが何かを見つけて「あっ!」と声を上げるたびに、みんなが集まって観察していたり、「俺はこんなものを見つけた!」の自慢合戦がはじまったり・・・。
 「探検の成果」という、班別の観察結果発表では、お互いに他の班の発表にどんどんツッコむツッコむ。
 いきいきした目で「楽しかったー!」と言ってくれる子供たちに、「こっちこそ、楽しかったゾ!」と言ってあげたくなりました。

 学級崩壊だのなんだの、最近は色々言われていますが、今日、行った学校では、皆、年齢並に素直で真面目で、いい子供達に思えました。
 これぐらい大きい子供さんだと、じゃれ付く時の「手加減無し」もありませんでしたし・・・。
 これがもっと小さい子供さんだと、全力疾走からのヘッドバットや飛び蹴りが来たりするので、大変です(^^;)。
 (ご父兄や先生の目があるところで、拳骨かますわけにも行きませんしね・・・)

 なんにしても、これをきっかけに、「エコキッズ」が多数、誕生してくれたら嬉しい限りです。

 それはそうと、今回、子供たちから聞かれ、「うっ!」と思った質問・・・。

 「昆虫採集って、悪いことなの?」

 ううむ・・・確かに最近、自由研究で昆虫標本を持っていくと、「残酷」といじめられたり、環境保全のためという名目で昆虫採集者を締め出そうとする地域があったり、色々ネガティブなイメージが付きまとっていますからね・・・。
 私が子供の頃は、学校帰りに友人たちと河川敷や空き地で、昆虫採集に明け暮れたものですが・・・。

 このとき、結局、私が答えられたのは、

 「捕まえたあと、本当に大事にしてあげられるのなら、悪いことではないよ」

 ということだけでした。

 真面目な話、図鑑や参考書に書いてある昆虫の生態情報は、実際に採取し、飼育し、その観察の結果、明らかになったことばかりですし、これだけたくさんの種類がいる事だって、採取し、体の構造の細部までを調べた結果です(昆虫などの小さな生物の体の構造は、決して写真だけではわからないのです)。
 たくさんの種類の生き物が、様々な環境の中で、互いに係わりあいながら生きていることがわかったのも、こうした地道な作業の積み重ねによるものです。
 そう考えると、近年の、昆虫採集を一方的に「悪」と決め付ける風潮には、私は大いに疑問を感じています。

 とにかく、飼育目的であれ、標本作成目的であれ、その個体を大事にすることができるのであれば、それは悪ではないと私は思います。

 まあ、もちろん、金銭価値に目がくらんでいる人たちも(少数ながら)いるわけで、全員が善人でないことは確かですけどね。
 しかし、近年の昆虫の市場価格は、採取等の労力に比してあまりにも安価(赤字が普通)で、よく言われている営利目的で採取している業者も、実在していません(※)。

 昆虫をやっている人なら、オオクワガタの大型個体が一匹10万円で売れるとしても、それを発見するまでの労力が10万円を軽く上回ることなど、簡単に想像できると思います。
 欲に目がくらんでも、これが現実です。一攫千金など、甘く考えないように・・・。

(※)
 「ええっ!」と思った皆様が多いと思いますが、上記のとおり、昆虫の市場価格は、赤字になって当然の額面しかつきません。そんな市場で利益を得ることなど不可能です。
 このあたりの詳しい情報は、日本昆虫協会の「ギフチョウ保護をめぐる常識のウソQ&A」に詳しいです。

 ギフチョウ保護をめぐる常識のウソQ&A
23:00:00 | yo-ta | | TrackBacks
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