Complete text -- "水の話"

03 April

水の話

 現在、多忙期の疲労回復中により閑話休題、ということで、今回は私が山で飲む水についての話です。

 普段、私が山で持ち歩く水は、ペットボトル入りのお茶(1Lボトルを2〜3本)です。
 途中の水場での補給なども考慮して、当初持込量を調整していますが、夏場はできるだけ多量を持ち歩くようにしています(脱水症状で死ぬかと思ったことがあったため)。

 なお、私は「水」の好き嫌いが、結構激しいです。具体的には、硬水は体がまったく受け付けません。
 よって、市販のミネラルウォーターは、「天然水」系やvolvic、Crystal Geyserなら飲めますが、Vittel、Evian、海洋深層水などは、口に入れた瞬間、石灰やにがりの味と香りが吐き出したくなるほど強く感じられ、とても喉には送れません。
 ついでに言うと、VittelやEvianで割った焼酎やウイスキーも、石灰臭くて飲めません。
 こういう話を周囲にすると、「たかが水にそんな反応をするなんて異常だ」と変な目で見られることが多いですが、好きでやってるわけちゃうわい!という反論は、見事にスルーされます。
 花粉症みたいなアレルギー同様、こういうものは「そうなってる人」以外には、なかなか理解してもらえないことなのでしょう。

 でも、おかしいと言われても、本っ当にダメなものはダメなんだから仕方がありません。
 これは、どんなに喉が渇いていてもそうなるので、気持ちの問題だとか、そういうものでもありません。

 例えば、一昨年ぐらいの夏、一度だけ、コンビニにそれしかなかったので、硬水系のミネラルウォーター(Evianだったかな?)を持って山を歩いたことがありました。山の中を歩いていれば、喉の渇きは超強力なものになるので、さすがに硬水でもグイグイ飲めるだろう、と思ったわけです。
 暑い日だったため、当然喉が渇きに渇き、休憩中に硬水をグイッと口に流し込んだら・・・あまりに強烈な味と臭気に、思い切り吹き出しました(大マジ)。

 何だか普段の数倍、強烈な石灰臭と石灰味が感じられ、口の中がヒリヒリします。渇いていたので、水に対する感受性が強くなっていたのでしょうか?とりあえず、私の感覚では、とても飲めたものではありませんでした。
 ただし、勢いがついていたので、最初の一口分くらいは喉をとおりましたが・・・通ったあと、喉がウエッと裏返ってくるような、食道の繊毛がもつれて絡まっているような、痰が全体にニチャニチャ絡んでいるような、とにかく不快な感じが強く残り、10分ほど後には激烈な腹痛が襲ってきて・・・。
 その後は、かなり悲惨な下山路を辿ることになったのは、言うまでもありません。

 それ以来、私はどんなに喉が渇いていても、硬水は絶対に飲まないことにしています。
 ちなみに、世間では「硬水を飲むと痩せる!」ということが一般に言われているようですが、私はこの考え方は絶対、間違っていると思っています。

 日本の表流水は、ご存知のとおり軟水が主体であり、日本人は古来からこの水を飲用としてきました。
 と、いうことは、日本人の体は、遺伝的に軟水に適応した代謝系を獲得している反面、硬水を大量摂取した場合の対処(過剰なミネラル分の除去や結晶(結石)化の回避)等に働く代謝系に関しては、もともと硬水主体の土地で生活してきた欧米人の何倍も劣ると考えられます。
 (この考えは、欧米人が日本人より酒に強いのは、欧米人は氷河時代、冬場の食料はアルコール発酵した保存食料に頼らなければならなかったため、アルコールに強い人しか生き残れなかったためだ、という説に依っています)
 そんな体の人間が、「欧米人の感覚で普通の水(硬水)」を大量に飲めば、体がびっくりする(対応しきれなくなる)のが普通でしょう(ですから、感受性の強い個体(=私)などは、体に取り込む前に拒絶反応を示してしまうというわけです)。

 まあつまり、「硬水を飲んで痩せる」と言われている現象は、私は「体に合わないものを摂取したため、それをなるべく早く体外に排出する」という防衛反応・・・つまり「下痢」が誘発されて、一時的に体重が落ちている、という程度ではないかと考えています。
 これは、一時期流行った「にがり」ダイエットが否定されたことと同じ理由です(痩せたと思うのは、マグネシウムの持つ『下剤効果』による『脱水症状』でしかない、というわけで・・・)。

 硬水も、カルシウムやマグネシウムのイオンが多量に含まれる・・・つまり「にがり」を溶いた水と同じ状態ですから、これを飲めば痩せるというのは、原因と結果を曲解しているだけに過ぎないと思います。

 私の感覚では、硬水ダイエットも結局、過剰なミネラル摂取によって、慢性的に脱水症状や栄養吸収阻害が発生していることによる『消耗』(つまり「やつれた」状態)でしかないのでは?というものです。
 まあ、被験者本人が、栄養不足で消耗してガリガリになった体を美しい、と思っているなら、しょうがないですが・・・。
21:19:00 | yo-ta | | TrackBacks
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