Complete text -- "カラスに詳しい人に、話を聞きました -カラス営巣観察日記 Part.2-"

18 April

カラスに詳しい人に、話を聞きました -カラス営巣観察日記 Part.2-

 先日、記事を上げた、近所のハシブトガラスの巣について、都会のカラスに詳しい人に、今後、観察をどうやったらいいか聞いてみました。

 まず、前回撮影時に、遠くからガッガッという声が聞こえ、それに合わせて、巣内にいた親鳥が飛び出した件について聞いてみた所、「見張りから、なんかやってる奴がいるぞ、注意しろ、というサインが出たのかもしれない」ということでした。
 では、もう私はカラスに、巣を荒らす可能性がある奴としてマークされちゃったのでしょうか、という件に関しては、「状況がわからないから、なんとも言えない。けど、サインがあった後、すぐその場を離れたんだったら、それほど気にしなくていい」ということで、まあ、まだ何とか大丈夫そうです。

 で、今後、観察上で注意する点に関しては、

1.長時間、自分の姿を晒した観察は避ける(できればブラインドなど設置)。
2.親鳥に警戒行動が見られたら、速やかに立ち去る。
3.できれば、近隣の住民の皆様からも目立たないように観察した方が良い。

 の3点だそうです。

 しかし・・・この場所は国道沿いですから、ブラインドなんて設置したら、通報されますな(^^;)。というわけで、なるべく物陰から見ることにしましょう(といっても、隠れられるものは、街路樹のみなので、アキコねえちゃん状態で・・・)。
 2.に関しては、親鳥に頭を蹴られたくなかったら、環境省のマニュアル等々を熟読し、十分注意する必要がありそうです(ただし、本気で続けるなら、1〜2回は蹴られることを覚悟しておけとの事で・・・。ま、そんなに痛くはないそうですが)。
また、何かあったら速やかに離れることに関しては、どうせ下から見上げる形での観察ですから、巣の内部はほとんど見えないので、別に良いとしましょう。

 3.に関しては・・・最近は都内では、カラスより人のほうがよほど恐いので、注意した方が良いとの事です。
 最近の誤ったマスコミ報道のおかげで、『カラスは恐い鳥だ』というイメージを持っている人も多くいらっしゃるとの事で、そういう人たち(特に、強烈にカラスに嫌悪感を持っていて、ヒステリックな反応を示す人たち)との間でイザコザがないような注意が必要との事でした。
 確かに、都内ではカラスは嫌われてますからね・・・。恐がる人も多いですし。
 そんな人たちを前に、「あそこのカラスの巣を観察してまして・・・」なんて言ってしまうと、もう大変なことになるそうです(話を聞いたカラスに詳しい人は、過去に人間のクズみたいに言われた事もあるとか・・・)。

 しかし、アレコレあわせて考えると・・・巣の撮影にはどうしても長玉(望遠レンズ)が必要なので、目立ってしまいます。
 では、人目につかない時間で観察する・・・となると・・・休日の早朝くらいしかない、ということになります。

 んがぁ〜、早くも挫折しそうな気分になってきた(^^;)。
 そういえば、カラスに詳しい人に調査方法について色々話を聞いた後、余談的に「何でこんな場所に巣を作ったんでしょうか?」と聞いてみた所、以下のような話が聞けました。

 こんな所に巣を作った理由としては、

1.以前からあった古巣の再利用。
 そのつがいではなく、別のつがいがかけた巣があったので、便乗しているだけ。
 この場合、巣の周辺環境が劣悪と判断すると、その場を放棄する可能性もある。
 ※ただし、私の記憶の限りでは、去年はここに巣はなかったと思うし、木に葉がない冬の間も気付かなかった。

2.他に巣を造れる場所がなかった。
 普通、カラスは他の巣のつがいと縄張りが重ならない位置に巣を作る。つまり、ご近所との兼ね合いで、その街路樹しか巣を作れる場所はなかったため、仕方なくそこに巣を作った、という事が考えられる。
 この場合、巣の周辺環境が悪いと感じても、放棄するか否かは微妙。

3.過去の経験から、そういう場所が安全と学んでいる。
 過去に公園や庭園の樹木に営巣し、撤去された経験を持っているため、公園や庭園の樹木とは全く違う環境に巣を作ったことも考えられる。
 公園や庭園の樹木だと、ヒトの縄張り内であるため容易に巣に近づたり、長時間、同じ人が逗留する場所のため、どうしても巣が発見されやすい。このため、同じ人が長時間逗留せず、しかも、自動車の交通のために地上から人が近付き難い場所(つまり、道路の上に被った街路樹の枝の上)が安全と学んでいる。
 この場合は狙ってやっているため、多少、巣の周辺環境が悪かろうと、その場を放棄する可能性は低い。

 というわけで、カラスの世界にも色々あるのね、と、半ば同情したくもなりますが、本当に色々あって、そこに営巣しているみたいです。

 ただし、今まで私が見ている限り、ここのつがいは3.のような気がします。
 なぜなら、この道路はやたらと交通量が多く、それこそ24時間、車通りが絶えない事に加え、夜間は3月(巣がかかる前)からアスファルトのうち直しの工事が行われており、作業員がたくさん歩いていたり、工事用の機械がガンガン動いていたりするためです。
 そんな状態にあっても、ここのつがいは、片親が巣の外で監視している以外、何ら苛立ったような行動を見せていません。素人判断ですが、狙ってここに巣を作ったと思えます。

 しかし・・・この場所では、雛が巣から落ちたら、確実に死亡確定なんですが・・・(雛は通常、あまり飛べないうちに巣の外に出てしまうため、枝渡りに失敗したら、そのまま地上に落下することが多いそうです。で、ここは、国道の上・・・)。
 でも、それすら覚悟の上、なんでしょうかね、彼らにとっては。
22:00:00 | yo-ta | | TrackBacks
Comments
コメントがありません
Add Comments
:

:

トラックバック